夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「チャンミンくんの恋人57」ユノ×チャンミン


テレビの音が聞こえる。


眩しさに目を細める。テーブルにもたれかかってグラスの水を飲んでいる、Tシャツ姿のユノがいた。


テレビから、俺に顔を向ける。
グラスから口を離して、奇妙そうに微笑んだ。



「チャンミン……?」



ひそめられた眉を見ながら、涙を拭う。



「ユノ」



俺の呼びかけに、はじかれたようにテーブルから体を離した。
赤茶色の毛先が濡れている。
こめかみにかいた汗が頬に伝ったのに、ユノは拭わない。
俺も涙と脂汗で体が湿っている。
近づくと、その身体から、甘い匂いがした。



「聞きたいことがあるんだけど」



ユノの眉間が一瞬動く。グラスをゆっくりテーブルに置いた。



「何?」



俺を見据えて、身構えている。
予想がつかないらしくて、微動だにしない。
俺の身体で心臓だけ巨大化したみたいだ。



「やっぱり……聞きたいことはないです」



「何だよ」



緊張が解けたみたいにユノが苦笑する。



「何で泣いたんだよ?」



俺に言いながら、グラスをシンクに持って行こうとする。



「待って」



ユノが振り返る。


聞きたいことよりも、早く告げたいことができたんだ。


鼓動が経験したことがないほどはっきり聞こえる。


まるで走った後みたいに、体全体が騒がしい。



「俺、ユノのことが」



俺を凝視する黒い瞳。下唇の厚い唇の端が、良い予感を感じとったように片側だけ上がった。
その相方に、体ごと一歩踏み出した時だった。

ここまで鼓動が耳につくのは、本当に少し可笑しい気がした。

それから、体温が上昇したような熱さを覚えた。

新陳代謝が一気に加速したような。

ユノに近づこうすると、なぜか、自分が着ている服に違和感を覚えた。

着心地が悪い。


正面の相方が目を見開いている。


無意識に伸ばした手が少しだけ短く見えた。
その瞬間、押さえつけられるような重力を体全体に受けた。
服がまとわりつく。

ユノ。
呼ぼうとしたら、視界にユノがいない。
いや、ユノの首元が正面になっていた。
足を動かすけど、服がもたもたと絡まりついて気持ちが悪い。
このハーフパンツ、少し緩かったかもしれない。
なぜか風圧を感じる。
相方のハーフパンツが見えた。
というか、それが正面になっていた。
自由に動けない。
身動きが取れない。
テレビの音あんなに大きかったか?

床が見える。


埃が溜まっている。










つづく

×

非ログインユーザーとして返信する