「Mi envulti vin en tiu profanda forsto.7」ユノ×チャンミン
無地の表紙をめくると、一番上に日付の記入欄がある大学でも使いそうな罫線のあるノートだ。 そして、携帯電話のライトで青白く現れる、 ――エスペラント語。 後ろでユノは何も言わず、自分を見ている。 うるさい鼓動を感じながら、 そのボールペンの字を穴があくほど見つめて、 震えてくる手で、 ページをめくっ... 続きをみる
東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。
Mi envulti vin en tiu profanda forsto.のブログ記事
Mi envulti vin en tiu profanda forsto.(ムラゴンブログ全体)「Mi envulti vin en tiu profanda forsto.7」ユノ×チャンミン
無地の表紙をめくると、一番上に日付の記入欄がある大学でも使いそうな罫線のあるノートだ。 そして、携帯電話のライトで青白く現れる、 ――エスペラント語。 後ろでユノは何も言わず、自分を見ている。 うるさい鼓動を感じながら、 そのボールペンの字を穴があくほど見つめて、 震えてくる手で、 ページをめくっ... 続きをみる
「Mi envulti vin en tiu profanda forsto.6」ユノ×チャンミン
「何で独学で?」 ユノはきっと訝し気な表情のまま、僕を見据えている。 でも闇に包まれて分からない。 「興味が、あって……」 少し静寂が流れると、途端に自分の呼吸音や心音、髪の動く音、衣擦れの音を、感じる。 「そう」 それだけ言って、ユノはそれ以上聞いては来なかった。 あまりにも喉が乾燥するから、携... 続きをみる
「Mi envulti vin en tiu profanda forsto.5」ユノ×チャンミン
携帯電話を見る。 「電波障害」 そして、 「元から磁場が可笑しかったのかも」 と続けて言われた。 息をする。 自分の体から繰り返される行為が妙に生々しく感じる。 それはきっと、それ以外で生を感じるものがここには少ないからだ。 「……出たいです」 そう言って画面を向ける。 青白く照らされた表情は上目... 続きをみる
「Mi envulti vin en tiu profanda forsto.4」ユノ×チャンミン
同じ学部のチョン・ユノはあの汚らしいマットのベッドに、腰をかけているようだった。 「何で……そこにいるんですか?」 「チャンミン、水、持ってない?」 僕の質問に答えずに、質問を返された。 水。 「ありますよ」 背負っていた、中身の殆ど入っていないリュックを下ろして開く。 入っていた自分の携帯電話の... 続きをみる
「Mi envulti vin en tiu profanda forsto.3」ユノ×チャンミン
息ができない。 恐怖に押しつぶされて身動きが取れない。 光がない。 でも、手に持ったノートの感覚で、現実にいるのだと分かる。 眼に異変が起きたのかもしれない。 本当の暗闇だ。 自分の音だけが聞こえる。 心臓が波打っている。 けれど、打つなと思う。 何も音を立てたくなかった。 こんな場所で、包まれた... 続きをみる
「Mi envulti vin en tiu profanda forsto.2」ユノ×チャンミン
最初の言葉は、神が創ったと言う。 殆ど文字の消えかけた、案内プレートを眺めた。 それから室内に目をやる。 息をそっと吐いて、足を進める。 腕時計を見た。 まだ昼前だ。 大丈夫。日没までには戻ろう。 でも唾を飲み込む。 昼前とは思えなかった。 暗い。 慎重に歩かないと転んだら、体を切りそうだ。 それ... 続きをみる
「Mi envulti vin en tiu profanda forsto.1」ユノ×チャンミン
心臓の音を聞くと、世界は深い森の中に閉じ込められてしまう。 体現していた。 遭難ではなく、それは外部の者に、はじめならば自分に、現在は他人に、そこには必ず意識が、思惟が、在って、閉じ込めた人間を惑わせてしまう。 緻密に出来ている。 奸計に踊らされる。いいえ、違う、それは純粋なとてもレベルの高い意識... 続きをみる