夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「DOKI☆DOKI☆らぶ♡番外編~卒業してもDO・KI・DO・KI~ 」キュヒョン ミノ

*こちらは「DOKI☆DOKI☆らぶ♡」と言う話の「本編」の番外編となります。もう一つのエピローグの方ではございません。












「キュヒョン!」




呼ばれて振り向いた。



まだ慣れないキャンパスで、爽やかな笑顔に目を細める。



「映画行こうぜ」



「え……今日?」



「何か予定あるの?」



慣れないのは、こうやってこの友人と二人だけで行動することが増えたからか。



シウォンは、元気にしてるだろうか。



「なんか食ってから行こうぜ」



「うん……」



友人の一人というか、親友が、高校卒業とほぼ同時に先生と付き合うことになって、実は性別まで違うことが明らかになって、みんな本当に驚いた。



だってどう見ても男だったし、先生とそうなったことより驚いた。



シウォン……女の子だったなんて。



二人のことは、見てればそうなるかもなって思ってたし、実際そうなって、俺は見ているだけしかできなかった。



あの時、勝てないって思ったから。



俺の恋心は誰にも言う事なく、風化していった。



「なあ、何食べる?俺ジャージャー麺がいいなあ」



「うん」



広いキャンパスを、正門に向かって歩く。高校と違って、校庭はない。




その時っ👓👓




「あ、あのっ!!」



きた。



「み、ミノ君っ!あのねっ!」



「ごめん。俺、今付き合う気ない」



「はやっ」



言いながら、可愛い女の子が顔を上げた。



はやい。



いつものことだけど。



「さ、行こうぜ」



「あ……うん」



可愛い女の子が悲しそうな顔で俺たちを見送っている。



眼鏡をかけ直しながらその光景を振り返りつつ歩く。



「……可愛かったけど」



俺が言っても、にこにことした笑顔で何も言わない。



高校の頃より、強く断るようになった。



まだ……シウォンのこと、好きなんだな。



学園のアイドルは、大学になっても変わらなかった。 



男は流石に減ったけど、女の子にはすごいもてる。



俺もそういうことはあったけど、断った。



でも、ユノ先生への恋心はもうない。



「なあ、このタレ甘すぎじゃない?」



「そう、かな……」



「キュヒョンの甘くないの?」



「……いや、同じだと思うけど、そんなに俺は甘いと思わなかったよ」



眼鏡をまたかけ直す。



視線が泳ぐ。



「一口ちょうだい」



「え、あ、同じだと思うけど」



皿をそっちに渡そうとした。




するとっ👓👓




横長の口が爽やかな笑みを浮かべたまま軽く口を開いた。



自分の顔が真っ赤になったのが分かる。



あ、やめろって、俺。



でもこの癖はどうにもできない。



「早くくれよ」



「あ、う……ん」



恐る恐るその口に入れる。



「味同じだな」



ミノが口を動かしながら言った。



「そう……だよ」



そう。



俺は、ここでも繰り返してる。



言っても、仕方がない恋を。



誰かと付き合う気には、俺もなれない。



それ以上にどうしようもない。



ミノは結果的には、女の子が好きだったんだし。



映画の予告を見ながらミノが話しかけて来る。俺はこういう時にも少しドキドキしてしまう。



「キュヒョン、そういや部屋見つかったの?」



「あ、うん」



「下宿?一人暮らし?」



「あ……一人暮らし」



「そうなんだ!じゃあ呼んでよ」



にこにこしながら隣で見られて、自分の顔が赤くなってないか気になる。



友人に恋をしているというのは、大変だ。



同じ大学に入って、シウォンが行ってしまったから、自分が彼の代わりのようになった。



高校の時はシウォンが間にいたし、ユノ先生が好きだったからそんなこと思わなかったのに。



距離が近くなって、二人きりで遊ぶのを繰り返すと、ドキドキし出して……



そりゃそうだよ、だって学園のアイドルだった男だし、今もそうだし。



魅力があって、当たり前だ。



シウォンはすごいな。



こんな人間とずっと一緒にいて、ものすごい好意を持たれていたのに、ひたむきにユノ先生だけを想ってた。



いや、俺も想ってたけど。



自分は、いつになったらこんな恋から卒業できるんだろう。



「面白かったな」



「うん」



陰でずっとシウォンを守って来た笑顔。



きっと俺は、シウォンより先にそれに気づいてた。



「まだ時間ある?キュヒョン」



「え……うん、どうしたの?」



「ん?まだ一緒にいたいから」



にこっと笑う。



勘違いはしないように。



これが友達を好きになるつらさ。



友達を好きになって、その友達は違う友達が好き。



俺たちは、叶わない恋をしている。



「……ミノ」



「ん?」



夜の町を、人混みをすり抜けながら歩いて行く。



「シウォンに……会いに行かない?」



そして、シウォンはユノ先生を追いかけて、日本に行ってしまった。



「日本に行ってみたかったんだ」



「うん。会いたいな」



その笑顔を見てほっとする。



まだ俺はこれでも幸せなのかもしれない。



この友人がシウォンを好きなうちは、誰かにこの笑顔を向けるのを、見なくてすむ。



そんなことを思うなんて、だめだって分かってる。



早く忘れた方がミノにとっていい。



でもそんな酷いことを考えてしまう。




その時っ👓👓




ぎゅ。



手が握られて、思わず顔を上げた。



ミノは前を見て笑みを浮かべたまま何も言わない。



人混みがいつの間にか多くなってる。



ああ、それでか。



俺はまた顔を赤くしてしまう。この手もだけど、勘違いした自分に。



でも初めて手繋いだし。



嬉しくなるのは、仕方ないよ。



「なあ、キュヒョン」



「なに?」



俺は繋いだ手が気になって顔が見れない。



「俺を最初に呼んでよ、部屋に」



「え?……あ、うん」



また顔を上げると、にこにこしてる。



友達の中では一番なのも嬉しいかもしれない。



あ、いや、二番だ。



そっと溜息をつく。



繋いだ手につけていた腕時計を見ると、いつの間にか地下鉄がなくなるような時間になってた。



「ミノ、そろそろ行かないと」




そうするとっ👓👓




ぎゅ。



更にぎゅっと握られて、思わず目を見開く。



「分かった」



ミノが正面を向いたまま真顔になって呟く。



時々真顔になられると、俺は声がかけづらくなる。



心臓が痛い。



眼鏡を触って、いつまでも力を込めて握られた手を見つめた。



「ふう……」



やっと、引っ越しが完了して、お母さんも帰って行った。



はじめての一人暮らしで緊張する。



でも、少し楽しみだったんだ。



自分だけで生活してみたかった。



窓の外を見る。



日は暮れたけど、ちょっと家の周りを歩いてみようかな。



「ん?」



あの後ろ姿……



なぜか何も声もかけてないのに、その後ろ姿が振り向いた。



「あ?学級委員?」



「久しぶり……」



シム・チャンミンだった。



大学は別々だったから、卒業してから会うのは初めてだった。



彼はあれだけ無法者だったにも関わらず、成績は常に二番。



喧嘩で邪魔されなかったら、俺より成績が良かったかもしれない。



「なんでこんなとこいんだよ?」



「あそこのアパートに引っ越したんだ」



「へえ」



「君は何で?」



「俺あそこ」



チャンミンが指さした。



「近いね」



眼鏡に手をやる。



高校時代は結構良く一緒にいたのに、この数か月会ってなかっただけで、どこに住んでるかも分からなくなるとは。



と、言っても、高校時代にもチャンミンがどこに住んでたか俺は知らなかったけど。



「ここら辺にスーパーとかある?」



「来いよ」



頭を傾かせて、ついて来いと言う風にまた歩き出した。



「帰るとこだったんじゃないの?」



「俺も腹減ったから食材買う」



長袖のTシャツとジーンズ姿で後ろ髪をかいた。



「え……作るの?」



信じられないな。



シム・チャンミンは料理をするのか。



「お前も食えよ」



驚いたことに、チャンミンの料理は美味かった。



「今度、うちにも来てよ。料理は出来ないけど」



「おー」



でも、その前にミノを呼ぶのか。



ミノのことを考えると、少し気が重くなる。



早く、こんな感じに自然な友達になれたらいいけど。



とりあえず人を呼べるようにもう少し片付けないと。



次の日。



「キュヒョン!」



呼ばれて、俺はまた振り返った。



爽やかに笑って、俺の隣に走って来る。



普通の友人になりたい友人。



「引っ越し終わった?」



「あ、うん」



「じゃあ、今日行っていい?」



「あ……でもまだ片付けが残ってるから」



「俺も手伝うよ」



にこっと笑って俺を覗き込む。



シウォンにも、ミノはすごく優しかった。



それをあんまり出さなかったけど、俺はずっと見てたから。



シウォン、元気かな。



「いや、まだ人呼べる状態じゃないんだ。大丈夫。もう少し片付けたら呼ぶよ」



「気にするなよ、別にいいよ」



「いや……」



少し、距離を取ってもいいのかもしれない。



俺はもう一度、同じことをする。



また、風化させる。



日本にミノと行くのは考えよう。



ミノも多分、シウォンへの気持ちを早く忘れた方がいい。



ミノなら速攻恋人が作れるだろう。



それを見れば、俺だって……



「そう言えば、シム・チャンミンに会ったよ」



俺は話題を変えた。



「どこで?」



「あ、引っ越した先にすごい近かったんだ。近所で会った」



「そうなんだ」



「今度三人で会おうよ。うち片付けたら引っ越し祝いしてもらおう……かな」



「その前に俺、キュヒョンの部屋行きたいけど」



微笑んだまま俺を見た。



「あ……うん。片付けたら」



なんか、ドキドキする。



本当に、自分がシウォンの代わりになってるみたいだ。



「ん。分かった」



ミノが苦笑しながら頷いた。



「チャンミン。すごい料理が上手かったよ」



「飯食ったの?」



「あ、チャンミンの部屋で。うちじゃない……から」



なんか言い訳してるみたいだ。



ミノが俺をじっと見る。



大丈夫だよな。



顔、赤くないよな、今。




そこにっ👓👓




「あ、あのっ!ミノさんっ!」



「あ、じゃあ俺、帰る……から。また明日!」



俺は走った。



ミノと可愛い女の子を置いて。



ミノから逃げた。



「ふう」



片付けは大分終わった。



チャンミン、何してるかな?



一緒にご飯でも食べに行こうかな。



と、思ったらっ👓👓



ピンポーン



誰だろ。



あ!チャンミン!



しかも酒持って来てる。



「来て、くれたんだ」



「おっす」



ミノに明日、最初に呼べなかったって謝らないとな。



もし、自分が一番の友達だと思ってる人間に、これをされたらショックだろうか。



分からないな。女の友達いないし。



少しはショックかもな。



でも、来てくれたし。



「は?」



言いながら、チャンミンの持って来てくれた焼酎を飲みながら眼鏡のフレームを摘まんだ。



「え、あの番長と付き合ってるの?」



俺の問いに、ふてくされたような顔を背けて短く何度か頷く。



「でもあいつ、忙しくてなかなか会えない」



声が、出ないんだけど。



チャンミンを見ると、頬が赤い。



思い出した。



そう言えば、そうだった。



俺たちは、正直に出来てるんだった。



高校時代を思い出して、懐かしくて笑った。



「キュヒョン!」



次の日も、キャンパスのど真ん中で呼ばれて、振り返ると、ミノがいた。俺は顔をしかめる。



「どした?」



「ちょっと二日酔いで」



頭が割れそうに痛い。



「へえ……珍しいね」



にこっと笑う。



「あ、ミノ。ごめん」



「なに?」



「俺の部屋に、チャンミンが先に来たんだ」



「そうなんだ」



白目のはっきりした大きな目が、俺を見下ろす。



ダメだ。



ドキドキするな。



「そう」



目を逸らして、返事をした。



向いた方に、緊張した表情の可愛い女の子が、見えた。



ミノに向かって歩いて来る。



そうだ。距離、置くんだった。



「……じゃあ」



踵を返そうとした。




するとっ👓👓




ぎゅ。



「ふ?」



思わず出した声が、ミノの首元で塞がれた。



「え、ちょっと」



顔が真っ赤になる。腕を突っぱっても、力が強くて解けない。そりゃ、次の番長だったんだし。



キャンパスのど真ん中で、ミノに抱き締められていた。



「ミノ!」



背の高い、細くてモデルみたいだけど、筋肉がついた体に包まれる。



こっちに近づこうとしてた可愛い女の子も、周りもみんな見てる。



DO・KI・DO・KIで、腰が抜けそうだ。



冗談はやめて欲しい。



もがきながら顔を上げると、にこにこのなくなった顔があった。



ミノの、真顔……



「何で言ってくれないの」



呟かれて、俺は動きを止める。



「言ってくれたら、言えなかったユノ先生より、俺の方が好きだって確信できたのに」



どうしたら良い。



心臓がおかしくなりそうだ。



「俺のこと好きじゃないの?」



少し垂れ目な端正な顔が近づく。



唇が俺の口に軽く触れた。



倒れるかと思った。



「ミノ!」



叫んだ口に、もう一度キスされる。



「言ってよ、学級委員」



こんな人が見てる場所で。



男二人で。



そう思ってるのに。



初めてのキスで、しかも好きな人で、突っ張ろうとした手に力も入らない。



今度は長く押し当てられて、恥ずかしいけど、抵抗できない。



これじゃ何も言えない。



やっとキスが止まった、




瞬間っ👓👓




「好きだって」



そう言った俺の顔を、ミノが抱きしめたまま覗き込む。



「……だから、やめてよ」



全部恥ずかしくて、その体で顔を隠すように俯いた。



「本当?」



そんな不安そうな声、初めて聞いた。



耳が熱い。



「うん」



少し顔を上げて、上目遣いに見た。



横長の口が微笑んでいく。



学園のアイドルの、爽やかで、幸せそうな笑顔。






シウォン。





今度聞いてくれる?




始まったかもしれない。




俺の……ドキ☆ドキ☆……LOVE👓














『DOKI☆DOKI☆らぶ♡番外編~卒業してもDO・KI・DO・KI~』👓E・N・D👓











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🎂 この誰得な話で自分は何をやっているのだろうと言うことをあとからつぶやきのような、言い訳のようなもので、書くのでございます。

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