夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「ねえ、俺のこと愛してくれる?1」ヨンファ ジョンヒョン CNBLUEの長編



これは魔法じゃなく、実力でしょ。
みんな魔法にかかったような顔してるけど、良く見て。
俺の目、眩しくて、濡れたような黒目がちでしょ。こんな大きくて丸い瞳見たことある?
艶々して光ってるよね。
口も、唇に色がついて厚くて蕩けそうでしょ。実際キスしたら気持ち良いって言われる。
聞こえる?
俺の声。
かすれてるけど良く通るんだ。歌も得意だよ。実は作曲とかもしてる。俺の声聞いてくれる?
耳元で歌ってあげる。
今してる演技みたいなのではなくて、演技も得意だけど、歌う時は君へ、心を込めて歌うから。
少し目が出て、目蓋がふっくらして見えるよね。閉じて、君のために囁いてあげる。
最近は、身体も鍛えだして、理想通り筋肉もつきだした。
そういう身体は嫌い?
身長は180㎝って一応公式には書いてるけど、本当はそれにちょっとだけ低かったりする。でも1センチくらい。そんな俺に抱き締められるのやだ?
嫌じゃないって言って。
もっと良く見て、もっと俺に夢中になって。
そのために生まれたようなものだから、俺は。
君のために生まれてきたようなものだから、俺は。
人に熱狂されるために、生まれて来たようなものだから。




カメラマンの声がかかり、一息つくと即メイクが来た。
「ヨンファさん、これ終わったら休憩入りますんで」
「はい」
と、頷く。
可愛いけど、それ公私混同でしょ。俺のこと、近距離で見つめられて、良かったね。その熱いまなざしには応えてあげられないけど、君の仕事の役得なところだもんな。
俺に触れて、そうならない女なんて、いないの分かってるよ。
だから君が悪いんじゃない、俺がそう言う人間だから。でも執拗にメイク直すのはやめてね。
休憩入ったら、速攻シナリオ覚えないとな。
今日の撮影分だけでも。
照明が変わって、カメラマンがまた声かけて来る。
「じゃ、いきますね。ちょっと顎あげて、そうそれで」
スチールは楽だよ。でも写真だけじゃ、俺の魅力は伝わり切れない。だけど、やっぱりあのドラマはイマイチだな。シナリオは悪くなかったけど、監督がだめだ。次はもっとマネージャーに言っとかないと。作品の出来で、人気が落ちたら不本意でしょ。まあ、ドラマ一本ぐらいでそんなことさせないけど。
「じゃ、視線ここで」
カメラを指差される。
最近伸ばしている前髪が、目にかかっているけど、そんなので閉じないよ。レンズを見つめて、カメラマンまで落とすくらいの眼差しで。
いや、男だから、本当に落ちたら嫌だけど。世界中が夢中になってほしいし、実際そうなってるけど。本音は可愛い女の子だけで良いよね。一生口に出せないだろうけど。
次の現場では、今回で初登場のアイドルが話しかけて来た。四歳下の二十二歳の子。
「ヨンファさんと共演、緊張します。でも頑張ります」
すごいスタイル良いな。
「私、ドラマ初めてで、こんな有名な俳優さんの妹なんて大丈夫かな」
顏も言うことなしだな。でも、さりげなく色目使ってもだめだよ。彼女は一応いるし、君みたいな子とすっぱ抜かれたら、流石に仕事に影響出る。
疲れたな。
ドラマの強行軍は何とかなんないか。睡眠不足のカメラ映りをカバーするのに睡眠が削られる。
明日の朝、皮膚科行く時間ないだろうな。風呂長めに入らないと。
急に寒くなった秋口だけど、部屋に入ればすぐ暑くなりコートを脱いだ。
そっか、家政婦が来る日だったな、そう言えば廊下から綺麗だった。家のことは、ほぼしたことないし、俺は出来ない。きっとこの先、一生人任せだ。
皿なんかもしまわれた、がらんとしたキッチンでグラスで水を飲みながら、彼女に連絡しないとと思った。彼女も人気女優なのに、最近、結婚の話を出し始めて、喧嘩が増えた。結婚しても仕事は辞めないって言うし、こんな若くに結婚なんかして何になるのかな。お互いマイナスにしかならない。
二年付き合って、別れたいとは思わないけど、このまま行けば別れることも考えないとな。
きっと、俺を見ればどんな女の子でも好きになってくれる、そのくらい魅力があると思ってる。だから、一人でも多くの人間に見て欲しいと思うのに、自分の恋愛はなかなかその先が上手く行かない。
センサーで明るくなる深夜の台所は、落ち着いた明るさが、疲れた体にほっとするけど、マネージャーもいなくなり、独りになると最近時々虚しくなる。
誰もいないダイニングテーブルの椅子にぽつんとかけられた俺の黒いコートを見ながら、リビングへ移動した。
明日ファンクラブ用に映像撮るって言ってたな。本番は俺の私物あげるって。ファンはありがたいけど、出来るなら遠くから見ていてほしいのは、我儘だろうか。この前のストーカー、事務所の警告守ってるみたいだな、今日は見なかった。
テレビをつけようとして、先に風呂に入ろうと、今日の撮影で買い取ったデザインシャツの襟を開けて、袖のボタンを外した。
俺は、そのまま動かずに、チャームポイントと自覚している大きく濡れた丸い瞳を背後に走らせた。
誰もいなかった部屋に、気配がする。
数度、瞬きをして、心臓を鳴らす。家政婦はそんなことはしないだろう。
ストーカー。
髪の長い、青白い女が思い出される。あいつ入って来たのか。けれど、もう一つ、気になる音がした。
何か、羽音のような。
素早く後ろを向いた俺が見たのは。
色の白い、人間と思えないほど綺麗な整った顔をした、黒い上下を着て佇んでいる。
男。
同じくらいの身長に、睫毛が多く、恐ろしく切れ長の目。
「ヨンファ」
と、喋った。背筋が震える不思議な声を聞きながら、言葉を失っている俺に続けた。
「あなたはあと一か月で死ぬ」
そうはにかんで、背中に拡げた、巨大な蝙蝠のような翼を揺らめかせた。







つづく

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