夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「高身長 1」ジョンシン ミニョク チャニョル CNBLUEの短編 EXOの短編


何で俺はここにいるんだ。
チャニョルは前の背の高い男二人を目にしながら思っていた。
確かに、特番の収録で同時期にカムバックを果たした沢山のアーティスト達と一緒だったが、大人数のアイドルグループのメンバーである自分が、なぜ打ち上げは、一人だけ彼らといるのだろう。持たされたマッコリのグラスを手にぼんやり見ていた。
しかし、「すいません、どなたか、椅子が足りなくてあっちの座敷に」と、ある一角に自分が移動することになっただけなのは、分かっては、いる。
何度か話したことはあるが、年上の先輩で、アイドルのような雰囲気はあるが、事務所も違うバンドグループの彼らとは深い付き合いになるほど接点がない。最近、単独かそれに近い人数でバラエティ番組も出るようになって、目の前の彼らも出るには出るが、年齢の差が番組的に違いを出せるほどではないこと、バンド内でもそんなに出る方でない二人なのもあり、一緒になったこともない。
チャニョルは白目のくっきりした大きな目でぼんやり眺め、でもこの先輩達は、あと二人いるはずだけど、とそれを店内に向けた。
一人は自分と同じ事務所の先輩グループと、もう一人は女子グループに取り込まれたようになっている。どちらも大盛り上がりだ。
きっと、この席が微妙だったな。
楽し気にからかわれている、バンドのギター担当や、女子グループに取り込まれた社交的なヴォーカルを横目に見て、また正面を向いた。ここだけが四人テーブルだった。しかも小さい。
他グループと交流も持ちにくく、この二人ほどではないけれど、向こうの二人もまあまあ高身長な、そんな彼らにここは物理的にも微妙だっただろう。しかし、自分の身長はどちらかと言えば、目の前の二人に近かった。
きついな。
狭さもあるが、乾杯をし、お互いのカムバック曲のことなど話してから、早々に話題がつきた。メンバー間なら喋り続けられるが、気を遣うタイプの自分は意外と年上と話し辛く人見知りだったとチャニョルはちびちびとマッコリに口をつけた。二歳上くらいメンバーにもいるが、アイドル然としていないからか、ずっと大人びて感じる。
しかも元々酒に強くない二人らしく、酒も進まず、一人は確か業界で一位になったはずの背の高さだが焼酎二杯目にして既に顔を赤らめ、ぽうっと酔って見えた。
四~五人用の大きなキムチ鍋も、くつくつと良い匂いを漂わせてきたのに、三人共ほぼ手が付けられない。
大都会ソウルにも、まだこんなに静かな場所があったのかとチャニョルは思った。
「何か話そ」
キムチ鍋からチャニョルは顔を上げた。
顔を赤らめた年上が、少し出た目蓋の厚い目をこちらに向け、真面目な顔で頷いている。
「うん、話そう」
その隣に座っていたどれも小さなパーツをした整った顔の年上も頷いた。
「あ、はい」
チャニョルは、少し胸を高鳴らせながらマッコリを飲み干す。
外は夏の終わりで肌寒く、既に人々は秋の装いだが、店にいる大盛り上がりの人間達は熱気で服を脱ぎ捨て半袖にタンクトップで汗までかいている。
店内で三人だけ上着を着たままのチャニョル達は、「よし、話そう話そう」と店の隅で身を寄せ合った。
「で、何話す?」
きょろっと目蓋の厚い眼差しを向け、正面の人の良さそうな顔立ちをした一番の高身長の男が言う。
んー、とまた自分達に沈黙が流れかけ、チャニョルは、音楽や、漫画、映画、何か三人が話が合いそうなものを猛スピードで思い出していく。だが、緊張からかこんな時に限って、昨晩寝る前に拝見した日本製の厭らしい動画しか思い浮かばない。これは話が合いそうだが、今を時めくガールズグループが何組もいる華々しい公共の場で、新曲を披露したばかりの男性ミュージシャン三人が店の隅で声を落とし、そんな話をしている姿を想像すると自分にはやりきれないと、チャニョルは目を閉じ頭を振った。
「じゃあ、背の話しない?」
再び正面から声がし、チャニョルは彼を見た。
「そうしよ、そうしよ」
赤い顔で、バンドではベース担当のジョンシンが楽し気に厚い唇の端を上げて言った。
「何言ってんの」
隣のドラム担当のミニョクが、小さくのどかな目を怪訝にし、冷めた声を彼にかけている。チャニョルも完全に同じ台詞が思い浮かんだ。
だが、三人の背が高い男達の熱い夜は、こうしてはじまった。







つづく



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