夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「チャンミンくんの恋人19」ユノ×チャンミン


心地よい眠りから覚めて目を開けると、



……警察官がいた。



ぼんやりと眺める。


デスクの上から顔を出して俺を覗き込んでいた。


「おはようございます」


と、声をかけると、


敬礼した。


「早起きですね」


「うん。腹減った」


この人、ダイエットどうでも良くなってるな。

テレビの前のローテーブルに立って、リモコンを両手で押しているユノを横目に見る。

昨日も出前だったから、食材が殆どない。

マネージャーはもう事務所に行ってしまった。

冷蔵庫を閉めながら、テレビに映ったニュースを見る。

続報はなさそうだった。


「ヒョン、朝から出前にする?」


「じゃあさ食いながら、映画見ない?」


「テレビで?」


声が聞こえづらくて、ユノの元に行く。


「俺、今映画館みたいなんだよね」


振り返って俺を見上げた警察官が、両手を広げてテレビを指して、嬉しそうに笑った。

ちなみに帽子は部屋に置いてきた。


「なるほど。じゃあ見てないDVD持って来ます」


「恐いのは嫌だよ」


あったかな。


「あ、じゃあピザにしますか」


ビールも飲みたい。


「ピザいいね!」


自分の部屋に行こうとして、やめる。笑ったユノの顔を覗き込んだ。


「なに?チャンミン」


ユノが視線を泳がせる。


浮腫んでるな。


さっきは帽子で気づかなかったけど、昨日食べさせ過ぎたかな。


「あんま見るなよ。恥ずかしいよ」


まあ、いいか。休暇だし。

マネージャーは怒りそうだけど。


「今はいっぱい食べて大きくなって下さい」


きょとんとしたユノが、「やったー」と、言って笑った。


「どれがいいですか?」


「これとこれ」


「俺、これがいいんですけど」


「じゃあ、それとこれ」


「はいはい」


いつも別々に好きな物を注文していたから、変な感じだ。

持ってきたDVDをローテーブルに置いて、二人で検証した。

アクションと、ラブロマンスと、あと一作くらい……


「ホラーもありましたよ。ホラーも見ません?」


「やだよ」


「いえ、見ます。一人で見るの恐かったんで」


「恐いって」


「恐いから二人で見ます」


「彼女できたら見ろよっ!」


「今作れないでしょ!」


ユノが俺を上目遣いで見上げて口を尖らせた。


思わず視線を泳がせる。


「いや、ヒョンがこうなったからとかは関係ないし。元から今いなかったの知ってるで

しょ?」


「……うん」


「じゃあ、一緒に見てよ、……ユノ」


ユノが首を傾げながら俺を見上げる。鳥みたいだな、とまた思った。


「ユノ怖がらせた方が楽しい」


「ひどいなっ!」


警察官が手を振り上げながら怒っている。


笑った俺を見て、「仕方ないなあ」と言って顔を弛ませてきて、こめかみをかいた。



変だな。



俺の方が年下だから、元からユノに甘えてるところはあったけど、ユノが小さくなってから、もっと自分の意見を押し付けるようになった気がする。相手が小さいからこそ、自分が大人になるような気がしていたのに。

この感覚って何だろう。


「チャンミン、チーズもっとのせてよ」


「はいはい」


アクション映画を釘付けになって見て、ラブロマンスをユノは口開けて眺めてる後ろで、俺は泣いて、ホラーを見る時には、


「チャンミンの隣に行く」


ユノが無表情で俺の膝の上で腹這いになって見出した。


「隣が隣っぽくなかった」


と、言って膝の上で震えている。


大きな音が出るたびに、「うおっ」とか「わっ」と二人で声を上げていたのに、いつの間にか俺の声だけになって、ユノを覗き込むと、寝ていた。

映画の音量を下げて、仕方なく見続ける。


これじゃあ、一人で見るのと変わらないと思いながらも、安心感はあって、

ユノの寝顔を時々眺めながら、映画よりも髭の方が気になって、



鑑賞会は終わった。







つづく




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