「PLAY16」ユノ×チャンミン
それを眺めながら、俺が最近、感傷的になっている原因は寂しさなんじゃないかと思った。
チャンミンだけじゃなくて俺にも、いつの間にか、取り返しのつかないような沢山の時間が流れて、自立と同等の孤立をしたことに寂しさを感じているんじゃないかと思った。
でもそれを巻き戻したいとは思わないし、そんな事、どうすることもできない、問題にもならないただの事実で、思わず、ないものねだりな自分にと、酔いで、溜息をもらした。
それから、酔った頭で思った。
「彼女作ろうかな」
呟いて、赤褐色の塔からチャンミンに目を向ける。
チャンミンは口角を上げたまま窓の外を見ている。
「俺が作ったら、チャンミンも作りなよ」
そう笑って言った俺に、何も言わず分かったように曖昧に頷いたチャンミンを見て、
「あ」
と俺は声を出した。
「そう言えば、いつも俺が彼女できると、チャンミンもできるね」
と、こんなに長く一緒にいて、今更その変な偶然に気付いて俺はまた噴き出したように笑った。
でも口角を上げているその顔の、目が笑っていないのを久しぶりに見たのと、自分の発言に引っかかった。
自分達の間にあった、鉄塔の照明がふっと消えた。
少しだけ暗くなった視界で、地の色になったタワーの風景がまた何かを思い出させる。
あの時俺にされた質問は何だったか。
確かライトアップのないテレビ塔が目の端にあった上海の夜、チャンミンは俺に以前の彼女と別れたのはいつだったか聞かなかっただろうか。
その答えも同じだった。
つづく