「夢の続き72」ユノ×チャンミン
「ユノさん、俺そろそろ行きますから、好きな時間に帰って下さい」
どこからこんなに集まってきたのか、子供たちに埋もれているユノにかき分けて言う。
「あ……うん。じゃあ入口まで見送る!」
「はあ」
ユノが振り返って子供たちに手を振りながら、入口まで一緒に歩く。
「じゃあ、ユノさん」
と、後ろのユノに振り返ると、ユノが後ろを向いて立ち尽くしている。
「あの」
もしもし?
「チャンミン、あった」
「え?」
ユノが目を見開いて、俺に振り向く。
「チャンミン!あの本あった」
「ああ、ねずみ?」
「あの人が持ってる!」
ユノが指さした先に、こちらに歩いてくる緑色のニットに紫色のデニムパンツのカラフルな男が見えた。
「じゃあ、ユノさん、俺なぜか今すぐここを出ないと」
と、俺が言った瞬間、その男が俺達を見た。
「ああっ!チャンミンさんっ!」
爽やかな笑顔が小走りで駆けてきた。
俺達の前で立ち止まる。
俺は明後日の方向を見て言った。
「あ、えーと君は」
只今11時45分(ユノの退役まで450日)