「DOKI☆DOKI☆らぶ♡7~しーくれっとらぶ~」シウォン ユノ チャンミン キュヒョン ミノ ヒチョル
~~~~前回までのあらすじ~~~~
男子校に通っているシウォンはなんと女の子!来たる文化祭の出し物は「桃太郎」に決まったけれど!?大好きなユノ先生の夫婦役になったのはシム・チャンミンっ!!シウォンは鬼役に決まってさあ大変!☆桃太郎役で友人のミノ、キジ役で学級委員のライバルキュヒョンも交えたシウォンのDOKI☆DOKI☆学園生活はどうなるのっ!?☆
きーんこーんかーんこーんきーんこーんかーんこーん
「ということで、ユノ先生は追加で設定した村人役になったので、投票で次点だった自分がおじいさん役をします。キジ役も次点が繰り上げでなってもらうことになりました。役になった人以外でも帰宅部の人は今日から残って下さい。では台本を配ります」
「マジ、信じられねーな」
シム・チャンミンがぶつぶつ言いながら机にふせたまま、キュヒョンに配られた台本をめくる。
信じられないのはコッチなんだカラっ!
「今日は衣装を作りたいと思います。家庭科室のミシンを二つ借りることができたので。寸法合わせのために役になった人も、一旦家庭科室に移動してください。家庭科の先生も付き添いで教えてくれることになりました」
はあ。
っもうヤダっ……鬼なんて。
しかもユノ先生は運動部の顧問だから、練習には殆ど出ないみたい。
でも鬼のシウォン、ちょっとでも見られなくて、それだけは良かったカナ。
「もう練習に入ってるとこもあるらしいぜ」
ミノが移動しながら言う。
「そうなんだ」
練習に入るの一番遅くても良いケドっ!
前を歩いていたキュヒョンが目に入って肩を叩く。
「お疲れさま、キュヒョン!学級委員大変だネ!」
いきなり叩かれて驚いたのか、ぱちぱちと瞬きをした。相変わらず、色白い。
「……そんなに大変じゃないけど」
「どうでもいいからお前俺と変われよ」
ふてくされながら後ろを歩いていたシム・チャンミンが、割って入ってキュヒョンに言った。
「公正な結果だから出来ません」
キュヒョンが眼鏡を触る。
「おい。見ろよ。あれ番長じゃん?」
隣を歩いていたミノが言う。
「何やってんだあいつ」
シム・チャンミンが呟く。俺もキュヒョンも足を止めた。
あの人、三年D組だったんだ。
床に這いつくばったキム・ヒチョルと、立った数人が、通りかかった教室の中で声を張り上げて喋っていた。
「ふせろ」
小声で言うシム・チャンミンにキュヒョンが頭を押さえつけられる。
なぜかミノと俺も、体をかがめて廊下側の窓から中を覗いていた。
「そんなっ!私が行くなんてめっそうもございません!お姉さま!」
「おほほ。そうよねえ。それではさっさと床を磨いておしまい!」
「はい、分かりました!お姉さま」
「ここもっ!ここも汚れているわよっ!」
「はい!お姉さまっ!」
「ここもっ!ここもっ!ここなんてスゴイっ!」
「はい!お姉さまっ!」
俺たちは無言でその様子を眺めた。
「3-Dの出し物はシンデレラです」
キュヒョンが声を出した。
「主役みたいだな」
ミノが続いて言う。
「番長ノリノリじゃねーか」
シム・チャンミンも言った。
だから時間なかったんだ。
その時っ☆☆
「お前ら、何してんだ?」
俺たち四人がかがんだまま、顔だけ、後ろを向く。
俺とキュヒョンが急いで立ち上がった。
「なっ、何もしてませんっ!」
ユノ先生っ!
今日も服はアレだけど、素敵なんだカラっ!
「そうか。ちゃんとやってるかなと思って。俺も寸法合わせた方がいいだろ」
どうなっているのか分からない服を着た自分の体を、すっすと触ってユノ先生が爽やかに笑う。
キュウウウウン♡
真面目な真面目なユノ先生っ!あなたが好きっ!
するとっ☆☆
「なに、お前ら?」
俺達はまた後ろを振り向く。
開かれた廊下側の窓から、稲妻シンデレラが俺たちを見て、にっこり笑った。
「なに、俺の雄姿を見にきたの?」
「いじめられ役で雄姿も何もねーだろーが……」
シム・チャンミンがかがんだまま、頭上の番長にぼそっと呟いた。
「この女は、最後王子とねんごろになるのも知らねえのかよ、お前は」
番長が無表情になって、自分の下の男に言う。
「知らねえわけねえだろ。男とどうにかなる役なんかよくやるぜ」
「てめえ、シンデレラなめてんのか」
鋭い眼光で前髪をかき上げた番長を見ながら、何も言わずシム・チャンミンが立ち上がって、睨みあう。
「おい、お前らやめろって」
ユノ先生が一歩踏み出した。
「ダメ、ユノ先生っ」
思わずユノ先生に叫んだ俺に、番長が声をかけてきた。
「なあ、可愛い子ちゃん」
ユノ先生と俺を眺めて、にっこり笑った。
「そんな変な恰好のヤツなんかやめて、俺にしときなよ」
「なっ、何言ってるんですかっ!!」
慌てて否定しながらユノ先生を見る。
ユノ先生は何も気にしてないように少し首を傾げた。
気に……しないのカナ。
それって、シウォンのこと、やっぱり何とも思ってないから?
それとも、服気にしてないってことカナ?
ワカンナイヨ……。
「ほらね」
稲妻シンデレラが俺を見て、またにっこり笑った。
気まずいのとちょっぴり悲しいのとで、視線を泳がすと、白い目でじっとこっちを見ていた、
シムチャンミンと目が合った。
☆つづく☆