「不思議な夜に14」キュヒョン×イトゥク
「キュヒョン。だめだ、待て」
「待ちます」
俺の声の調子が変わったのを感じ取ったキュヒョンがまた座った。
寝転がったまま、その顔をじっと見つめる俺とは酔いもさめたのかもう目を合わさない。
目も合わせずに、俺の言葉を待っているキュヒョンを俺はしばし眺めた後、起き上がって座った。
「キュヒョン」
「はい」
「お前、明日の夜来てどうするの?」
「話します」
「それだけじゃないだろ。お前はきっと、前回と今回と同じことすると思うよ」
俺の言葉に、キュヒョンは段々顔を下げて、そのまま黙った。
それを見て、俺は声を出さず苦笑する。
「お前は何で俺にそんなことするか自分で分かってるの?」
キュヒョンが視線を彷徨わせて思案している。
「……興奮するから?」
「何で興奮するわけ?」
また視線を動かした後、俺をちらっと見た。
「分からないですけど」
「何となく分かってるんじゃないの?」
と、俺が言うと、その答えを聞きたいのかキュヒョンが俺の顔を息も潜めて見てきたから、これは分かっているのか、いないのかどっちだ、と思いながら、続ける。
「お前俺に惚れたんだよ」
キュヒョンが俺の答えを聞いて、一瞬動きを止めてから、目を瞬かせた。
「でも、ヒョンは男ですよ?」
「そうだよ」
と言って俺はまた苦笑する。
「お前、男に何で興奮してんだよ。お前が何と言おうと、俺は男だし、男に興奮してるお前は変なんだよ」
つづく