「不思議な夜に6」キュヒョン×イトゥク
唇が重なってきて、優しくついばむ。
本当に何でこんなことに。今更悔やんでも仕方ないけど。
キュヒョンが目を閉じて、それを眺めた。
女装の話を聞いて、女装したキュヒョンを思い出した。確かにキュヒョンが女ならと思うと、そんなに悪くない気にはなった。
何度も何度も啄まれて、久しぶりにしたキスのせいか、酔いのせいか、女装のせいか、なんとなく息が乱れてくる。キュヒョンが先にそうなったのに同調したのもあって。鼓動が早くなる。
恥ずかしくなって離そうとしたけど、それを察したキュヒョンが薄く目を開いて、肩を掴まれて固定された。
舌が滑り込んできて、それも逃げられない。
性的な感覚にスイッチが入ってしまった身体がビクッと動いて自覚させないためか逃さないためか強く抱き締められる。
女のキュヒョンの想像なんて消えてしまった。ただ目の前にいるキュヒョンに反応してしまっている。
強く掴まれた全身とは裏腹にキスはゆっくりと優しくて、それも可笑しくさせた。
とにかくやめなくては、違うとこまで反応してきて、こんなに密着させた身体では気づかれる。
焦って身をよじると、やっとその唇が離れた。
いつの間にか俺の方が目を閉じていて鼻先でキュヒョンが俺の顔を見つめている。その顔も上気していて。
乱れた息で声を出した。
「おま……長いっ」
つづく
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……あれ?いつの間にR−18に。