「Kiss me,baby.22」ユノ×チャンミン
『今日、後輩から受け取ったリュックの中に、腕時計はありました。すいませんでした』
何となく一度息を吐いて、送信した。
変に緊張した。
あれから飯食って帰って、今、ベッドの中だった。
画面を眺める。
返事はすぐには、なさそうだった。
ベッド脇に置いてから、もう片手に持っていたのを見上げた。
ユノが控室から出て行ってすぐに入っているか確かめたし、その後も何度か確認したから、久しぶりに見た、という感覚はない。
タグは、もう切った。
ユノは、捨ててないよな……?
入ってるのを確認したら、すぐに送るべきだっただろうか。
いや、もし捨ててるんなら、もうその前に捨ててるよ。
もし、捨てていたら、
コレは……片割れを失ったことになる。
同じ気持ちで、ユノは手首のそれを眺めただろうか。
また携帯電話を手に取ってみた。
既読にもなってない。
ユノは結構寂しがりだけど、寝る前や、することがない時以外あまり携帯電話をいじらない。
ゲームをしていたらそれに夢中になるし、すぐに何かに夢中になって、その時はそのことしか考えなくなるからだと思う。
でもそれだから?
まだ、怒ってるから?あれは怒ってるのか?
やり取りを眺めていると、会話は短いし少ないけどやっぱりこの一年は比較的ユノの返事は早いような気がする。
俺のことが好きだったから?
恋をすると人はそうなるんだろうか。
じゃあ、もうユノは。
それは、喜ばしいことだよな。
元に……戻れるんだから。
でも、今は全く元に戻った感じはしない。
むしろ、ユノが何を考えているのかさっぱり分からない。
ああ、悶々とする。
なに?まだ責めてるわけ?哀しんでるわけ?
そして、返事をしないわけ?
でも明日も、自分達は会わなきゃいけないんだよ?
あんなキスを、二回も……しておいて。
「頼むよ、ユノ」
また今日も、俺は寝不足になる。
つづく
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
パソコンの調子が悪く、管理人も悶々としておりました。