「DOKI☆DOKI☆らぶ♡1~恋はバター味~」シウォン ユノ チャンミン キュヒョン ミノ
*シウォンが女の子です。
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私の名前は、チェ・シウォン、16歳。
高校二年生、みずがめ座。
れっきとした女の子だよ!でもね、私にはナイショなことがあるんだ!
私、パパの経営している私立の高校に通っているんだけど、
ここ、男子校なの!
でも私はどうしても通いたかった。
なぜならここには、あの憧れの「ユノ先生」がいたから!
だからどうにかパパを説得して入学させてもらったの!
本当は、ばれちゃったら、警察沙汰で三面記事に載っても可笑しくないんだけどネ!
そこは何でかいけた!
私の外見が、ちょっと胸がぺったんこで、ちょっと背が高くて、ちょっと顔がお馬さんに似てるってのもあるんだけどネ!
あ、でも私はそんなこと思ってないんだけどネ!
あ、また「私」なんて言っちゃった!いけない!いけない!
「俺」って言わなきゃ!
そんなわけで今日。
ジリリリリリリ!!
「ううーん」
うるさい目覚ましをベッドの中まで持って来て止める。
「えええええっ!!!」
な、なんでこんな時間なの!!
朝から目覚ましにクギヅケ!
昨日時間間違えてセットしちゃったみたい!
「ママっ!!ひどいよっ!何で起こしてくれなかったのっ!?」
「あらら、シウォンちゃんたら、昨日は一人で起きれるから大丈夫って言ってたでしょ!まだ間に合うから早く食べて行きなさいっ」
「ああん、ダメっ!もう間に合わないっ!パンだけっ!」
バターだけ塗ったトーストを咥えて嵐のように家を出た。
バターがべたべたするよっ!ママちょっと塗り過ぎだよっ!
いつもの角を走って曲がる。
その時っ☆☆
バンッ!!!
「いってーーーっ」
「いったーい」
なになに?ぶつかっちゃったの?道路に尻もちついて、頭に星がチカチカする。
「お前っ、どこに目つけてんだよっ!」
「そっちこそっ!」
って、あれ?この人、学ラン同じ?
「お前バターつけすぎなんだよっ!べとべとにもほどがあるだろっ」
同じ学ランの男が尻もちついたまま、怒ってる。
ああん、こんなことしてる場合じゃないっ!間に合わないっ!
「っもう!行くからっ!バイバイっ!!」
こんな男に構ってる暇はないんだって!立ち上がって、また走る。
きーんこーんかーんこーんきーんこーんかーんこーん
ああっ!鳴ってる!やばっ!遅刻ジャンっ!!
息を切らせながら教室のドアをがらりと開けた。
「遅刻だな、チェ・シウォン」
ああん、ユノ先生……。今日も、か、かっこ、かっこ……
……恰好が変。
何で先生、そんな胸に穴があいたセーター……
って!ダメダメ忘れてた!
「あっすいませんでした!」
「次からはもっと怒るからな」
そう言って口を「ん」と曲げながら、3センチ低い俺の顔を覗き込んで、
長い指が、俺のおでこを叩こうとする。思わず目を瞑っちゃう!
その瞬間っ☆☆
「バターついてるぞ」
先生の親指が、すっと口を拭った。白くて綺麗な歯並びがにこっと笑う。
キュウウウウン♡♡♡
恰好いいのっ!!ユノ先生っ!あなたが好きっ!!
「おい。邪魔だ。どけろよ、バター犬」
なっ、なにっ?なんてひどい事っ!!!
後ろから暴言が聞こえて振り向く。
「ああっ!!」
お、同じ学ラン男っ!?しかもそんな背高かったのっ!?
「君はシム・チャンミンか?入れよ。シウォン、席についていいぞ」
え、なになに?どういうこと?
「えー、転校生を紹介する。今日から一緒のクラスになるシム・チャンミンだ。じゃあ軽く自己紹介できる?」
唖然としている俺の後ろの席から、身を乗り出してきて、悪友が喋った。
「なんかすごいイケメンだよな」
こいつは学園のアイドル。何で俺の友人になったのかは謎だけど、とにかく入学当初から仲が良い。俺が健康診断一緒に受けないのが、最近一番気になることなんだってサ!
「そうかなあ」
ユノ先生の方が恰好いいし!
「じゃあ、キュヒョン。チャンミンに色々教えてやってくれ。頼んだよ」
「ほら。学級委員も顔赤くしてる」
ミノが一番前で窓際の学級委員、キュヒョンのことを言った。
「そう見えるだけだって」
ミノの馬鹿馬鹿っ。あいつは俺のライバルなの!ユノ先生のことが好きなんだって!
「じゃあ、お前の席は、そうだな。シウォンの前がいいんじゃないか?知り合いみたいだし」
「はあっ?」
「ええっ?」
何で都合よく前の席の人転校して行っちゃったの?!
あんな暴言男が前にくるなんてっ。
同じ学ラン男が、俺の前に来て口を尖らせて言った。
「お前俺に謝れよ、バター……」
「犬じゃないっ!!」
「バター人間」
そう言って俺の前の席に座った。
もうっ、最低。バター人間って何だよっ!
☆つづく☆
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「ラブコメ期」ということで、ちょっと気分を変えて。