夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「チャンミンくんの恋人28」ユノ×チャンミン


浮腫んでいた理由は俺もユノも言わなかったから、

ユノは今日もまた運動をすることになった。



「これを気軽にできるのは良いですね」



俺はマネージャーを見た。



「だろう」



マネージャーは腕を組んで満足そうにユノを見下ろしている。


今ユノの部屋では、クローゼットとは別に、下着などを入れていた三段のプラスチックのタンスが一段なくなっていた。そして、その引き出しは、




ここにあった。




「もうちょっと深くしてー!」




ダイニングテーブルの上に置いた引き出しの中で、


素っ裸のユノが俺とマネージャーに向かって笑いながら両手を上げた。昨日、束の間恥ずかしがっていたのはすっかりどこかいったらしい。


「お湯を足しましょう」


風呂よりは低い温度の湯を蛇口から出して、やかんに入れてそこに注いだ。


「どうですか?」


テーブルにやかんを置きながら声をかけると、ユノが引き出しの温水プールでクロールをした。



「うまいもんだな」



腕を組んだマネージャーが見下ろしながら呟く。



一度中で屈んで潜ると、気持ち良さそうに水面から顔を出した。



ぱしゃっと両手で掬った水をかけられた。



「おい、ユノやめろ」



眼鏡を拭くマネージャーを見て、胸の高さの水中で立ったユノが笑っている。


「いいな」


俺は濡らされたTシャツの腹を摘まんで呟いた。


「チャンミンも水着に着替えていいぞ」


「いや、意味分かんないですよ」


腕を組んで見下ろしながら言うマネージャーに、俺も見下ろしながら言う。



「チャンミン!音楽かけてー!」



背泳ぎっぽく泳いですぐやめてユノが叫んだ。



夏らしい曲をテーブルの上に置いたポータブルプレイヤーでかけながら俺は缶ビール片手にユノのプールを覗き込む。



「あと一周したら昼飯だユノ!」



マネージャーはコーチ気分なのか、さっき読んでいた雑誌を丸めて穴に口を充てている。


ユノは生き生きと言われたことをしていく。

先行きが見えない中、仕事に復帰することを考えての要求からなのが分かるから、嬉しいんだろう。

俺も嬉しかった。


「じゃあなんかおもちゃになるようなもんでも探してきますよ」


「子供扱いすんなよ!」


また面白がって水をかけられて、

一緒にかかったマネージャーが「おいおい」と、眼鏡を服で拭く横で、濡れたTシャツの背中に顔をしかめながら、自分の部屋に行く。


目についた小さい物を「これどうですか?」と言って一掴み、戻って来て引き出しのプールに落とした。


小さなユノの目の前で、ぽちゃぽちゃと音を立てて透明な水に浮かんだり、沈んでいく。



昔の指輪、


集めてみたけどやめた食玩数個、


何かで貰った漫画のキャラクターの小さな置物、


直径3センチ程の青いゴムボール、


金属のキーホルダー、



おもちゃの水の中で、ユノがぷかぷかと浮かぶ顔より大きい食玩を避けて、

沈んだ指輪やキーホルダーを踏み台にしてゴムボールに近づく。それを両手で持って股間を隠すようにあてながら、おどけた顔でラッコみたいに背面で浮かんだ。


「それもう使えないな」


俺が呟く。



マネージャーが隣で「そのまま端まで!」と丸めた雑誌を口元に充ててユノに言った。









洗面器の中で、うとうとしている。


今日はきっと良く眠れるはずだ。


淵に背中を凭れて座っているけれど、横にずずっと倒れて湯水に顔をつけそうになったから、指で支えるとユノは目を開けた。


「溺れないで下さいよ」


その手を離しながら、浴槽の中で俺は濡れている自分の横髪を掻き上げた。

眠そうな目で微笑んでこっちに来た。


「俺、痩せたかな」


指をかけるようにして俺がもう一方の手で持つ洗面器の真ん中で笑った。


「そんなに太ってないから」


「でも弛んでるし」


自分の腹を見ながらさすっている。


「そんなの見せないで下さい」


声を出して笑った後、こっちまで来て両肘を淵にかけて少しだけ高い俺の目を、多分大きく見えている様子が変わっているみたいで、改めて興味深そうに見上げている。


「それ俺が持ってない時にやったらダメですよ。ひっくり返るよ」


「チャンミンいるじゃん」


俺の鼻に手を伸ばして遊ぶように触られた。


「ひっくり返っても俺が掬い上げるってこと?」


触り方がくすぐったくて離す。


「おう」


「絶対やめろ」


諦めて両手で淵を掴んでいるユノに言うと、またこちらを見上げて、にんまり笑った。



「やらないって」



「なに感動したような顔してるんですか」



「うるさいな」



寝る前に、ハンカチ姿になったユノがデスクの上で俺を見上げる。



「チャンミン」



自分も立ったまま、見下ろす。


声かけたまま、何も言わずに、と言うより言えないように見ているから、デスクチェアーに座った。


また寂しくなって来て、確かめたくなったんだなと思った。


顔を近づける。


ぼんやりした表情のまま、少し笑みを浮かべてこちらに来た。


もっと顔を近づけた。


嬉しそうになったユノが近づいて来て、


俺の顔の前で目を閉じると俺の唇に口をあてた。


離れて俺を見上げて微笑んだ。



「寝ますよ」



「うん」











つづく

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