「夢の続き25」ユノ×チャンミン
「……すまん、チャンミン」
キュヒョンが視線を下げて言った。
「いや、いいんだ……」
言葉が見当たらず、暫く俺達は黙った。
でもまた俺から切り出す。
「それにやっぱり結婚記念日だし」
「でもそんなこと言ってたら、この人ずっとこのまんまだぞ」
椅子に座ったキュヒョンがユノを見て言う。
「……ユノ……」
ついにユノが自分の名前しか言わなくなってしまった。
キュヒョンと顔を見合わす。二人で顎に手を置く。
考えろ、考えるんだ俺!
元気だけど、レジが打てないキュヒョン……レジは打てるけど自転車に乗れないユノ……そして自転車にも乗れて、元気な俺……。
俺のうちに連れて帰るには……。
「あ」
声を上げた俺をキュヒョンが見る。
俺は頷く。
「この人に店にいてもらって、俺がキュヒョンを自転車に乗せて帰ればいいんだ!!」
「お前が混乱してるのは良く分かった。俺が考える」
キュヒョンが再び考え出した。
そうこうしている間にも客は来る。
「あ」
と俺は再び声を上げた。
訝しげに俺を見上げているキュヒョンにいう。
もうこれしかない。
只今17時52分(ユノの退役まで493日)