夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「日常茶飯事」ユノ×チャンミンの短編

ずっとずっと隠してる。


じゃないと一緒にいられないから。


でも最近はもうバレないんじゃないかと思いはじめてる。


その俺の甘さが、


ユノにバレた。




ユノのマンションに先に着いた移動車の中で、「じゃあお疲れ」なんて平然と言うからちょっとイタズラしたかっただけかもしれない。


車から降りるユノの指先に一瞬自分の指を絡めた。


ギョッとして振り返るユノに、


「また明日」


と言って、俺がドアを閉めた。


さっきの休憩時間には、今日はどっちの家でごはんを食べるか小声でやり取りしてたのに。


まあ仕事がおして、なくなったけど。


窓の外を見ながら、ユノはすごいと思った。


本当に平然として、2人の関係を隠せるんだ。


俺だってそうしてるつもりだけど。


時々は寂しくなる。


久しぶりに、一緒に過ごせると思ったのに。


恋人の関係で。


ユノ怒るだろうな。


思った通り、次の日ユノはほぼ完全に俺を無視した。


やっぱりか。


俺も慣れたもので、自然に対応してしまう。


夜の収録前の楽屋の中で、そんな俺たちに全く気づかないスタッフがみんないなくなった束の間、ユノに切りだされた。


「あれはやめろ」


俺はまだ無視していたけど、それは俺が了解したって意味なのは言わなくてもユノには分かる。


無視しながら、でもなぜか泣きなくなった。


でもメイクは崩れるし、俺はそんなに弱くない。


また、次二人で会う時はすごい仲の良い恋人同士になってるはずだから。


大丈夫だから。


言い聞かせると気分は落ち着いてきて、やっぱり返事だけはしようとユノを見ると、ユノはずっと俺を見ていた。


「すいませんでした」って声を出そうとすると、スタッフが呼びに来て、二人で行かないといけなくなった。


楽屋から出るほんの一瞬、ユノが俺の頬を手の甲で撫でた。


びっくりしたけど、顔には出さない。


「それはいいんですか?」


とユノにボソッと言うと、


「これくらいは許してよ」


と笑ってきたので、俺もついポーカーフェイスが崩れる。


まあそれ位なら許してやるか。





おわり

「不思議な夜に3」キュヒョン×イトゥク


「そういえば夢の中で」


キュヒョンが手元の酒を見ながら思い出しているのか、面白そうな顔をした。


「ヒョンが押し倒されてましたね」


「本当だよ。ひどいよ」


「かわいかったですよ」


やめろーって言いながら仕方ない奴だなと思ってまた笑った。


「でも、俺思ったなあ。あの夢見て」


キュヒョンが続ける。


「あの俺たちが成った女子がいるじゃないですか?」


「うん」


しかし、これ素面だったらパニックな会話だな。


「間違ってるなあって。必死で俺たちの外見や可愛さみたいなので、くっけようとしてたけど、やっぱり可愛さは女の子に勝てないし、俺がヒョンを好きになるなら、やっぱり中身だなって」


「外見は大事だよ」


「そうですか?」


「だから、俺たちはくっつかないんだろ?外見が男だからさ」


「なるほど。じゃあヒョンの外見が女だったら俺はヒョンを好きになりますか?」


「随分と男らしい女だけどね」


「自分で言ってる」


キュヒョンが楽しそうに笑った。


「でも俺は、キュヒョンが女の子だったら好きになるかもな」


「なんでですか?」


色の白いキュヒョンの顔がちょっと赤くなったのがわかった。


「一緒に呑んでて楽しいから」


嬉しいのか嬉しくないのか微妙な顔でちびちびとキュヒョンが酒を呑む。多分表情の通りの心情なんだろう。


微笑みながら酒を注ぐ。少しこぼしてしまってティッシュで拭いた。


「ヒョン、ゆっくり呑んでください」


キュヒョンがまた困ったように笑う。


ゆっくり呑みながら「お前は強いね」と言う。


「そんなことないですよ。俺も結構きてます」


「お互い明日遅くて良かった」


「はい」


確かにかなり酔いが回ってる。火照ってきたから窓を開けようかと思案したのと、眠気も出てきたせいか会話が途切れた。



「ねえ、ヒョン」



キュヒョンに向くと、こっちをずっと見ていたみたいだった。


「なに?」


確かにこいつも大分目がすわってきている。


「すごいこと言っていいですか?」


「なんだよ」


キュヒョンが酒を脇に置いて、身を乗り出してきた。


「なんか気になってきて」


酔いながら真剣な顔をしてるのと、何を言うのか分からなくて噴き出して笑った。
その俺を見ながらキュヒョンが言う。


「ヒョン、キスしてみたいんですけど」


「まさか」


鼻で笑った俺を見つめてくる。


「あのセリフ言っていいですか?」


「あのセリフ?」


「ほら、俺の。『男同士でキスしてみたらどうなるんでしょうねえ?』」



全く感情が入っていない言い方で、キュヒョンが「キュヒョン」の真似をした。










つづく

「夢の続き2」ユノ×チャンミン

「あの、とりあえず警察呼んでもいいですか?」


「なんで!待って!」


目を丸くさせている。


「だって俺あなた知らないし、酔って記憶飛ばした記憶もないし」


おれの頭が可笑しくなければ。


「服も着てないし」


と、付け加えると、今更気付いたのか真っ赤な顔で慌てて前屈みになる。


「……チャンミン、服ちょうだい」


「さっきからチャンミンチャンミンて、あなた何で俺の名前知ってるんですか?俺あなたのこと全然知らないですよ」


「俺はチャンミンのことなんでも知ってるよ!」


警察ください。


携帯電話に手を伸ばす。


「ま、待って!分かった!」


画面を操作しながら一応待つ。


「俺も留学生!」


「韓国の?」


「そうそう!」


俺にむかって大きく頷く。


「学校どこですか?」


「え!」


声を上げたあと、片手を顎に置いて考えている。


また操作する手を動かした。


「ま、待って!まだ決まってないだけ!」


「そんなことあるんですか?」


「し、下見?」


俺に聞くな。


「へー、じゃあ留学のために、下見でここ、東京に来たと」


棒読みで言った。


「そう!それ!」


「で、その人が、見ず知らずの俺の部屋で、俺のベッドで、裸で、寝てたと」


白い目で棒読みする俺に口をパクパクさせている。


何も言葉が出てこなかったのか、黙ってしまった。


溜息を吐いて立ち上がると、ビクッと体を強張らせて不安そうな目で見上げられる。


無視してクローゼットを開けた。


適当にトレーナー上下を出す。日本の部屋は寒い。下着は……と思って振り返る。


「下着は?」


「……ない」


どーゆーことだよ。


舌打ちして睨むと、さっきの不安そうな目に少し期待が混ざっていたのが、また戻る。


俺の一つ捨てるしかない。


仕方なく自分のを出して、一式その前に置いた。いいのか確認するように俺を見る。


「早く着てください」


そう言うと、嬉しそうに着はじめた。


本当になんなんだこれは。








只今1時25分(ユノの退役まで515日)