「本当に同じような出だしです」
キュヒョンの目が訝しむ。
「ここまででも同じなら相当なもんだよ」
「俺たちそんなん読みましたっけ?」
「どうかなあ。あ、水も持って来るか」
「とってきますよ」
「おー、お前も弟なんだな」
キュヒョンが部屋から出て行った。
久しぶりにあいつと飲んだけど、やっぱり酒強いな。
何杯だ?
「1,2,3」
指で数えてる途中でキュヒョンがペットボトルに水を入れて戻ってきた。
「お前それコーラの」
「これしかなかったんで、それより話の続きなんですけど」
せめて中洗って欲しかったけど、こいつがそんな事しないよな。
ほんのりコーラ味の水を飲んだ。
「その後キスして、いい感じになってくっつきました?」
「まあ、そうだよ」
水の後にまた焼酎を注いだ。
キュヒョンは水を飲まずに、また焼酎を注いで、呟いた。
「不思議すぎる」
「不思議どころの騒ぎじゃないよ。恐いよ」
本当に恐いと思ったのに、酒が回って来たのか笑ってしまう。
そんな俺をキュヒョンがちょっと困ったようにチラリと見た。
「トゥギヒョン酔ってきましたね?」
「まあな」
「水飲んでください」
空になったグラスにまた水をつがれた。
「そーいや、月見ました?」
「綺麗だったな。見るか?」
と言って窓の方を見る。
「いや寒くて、もーいいです」
確かにキュヒョンは長袖だけど薄手のトレーナー上下だった。
って俺も同じようなもんだ。
なんとなく沈黙が流れた後でキュヒョンが独り言のように呟いた。
「トゥギヒョン。帰ってきてくれて良かった」
それを聞いて小さく笑う。
「お前何回言ってんだよ」
2年以上アイドル生活から離れて、公役に行ってきた自分が頭をよぎったけど、酔いのせいか深くは思い出さなかった。
キュヒョンを見ると、少し照れたような嬉しそうな顔でコップに口つけていて、俺もなんだか嬉しくなって、また酒を注いだ。
つづく
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タイトル変更しまくり。