「夢の続き50」ユノ×チャンミン
俺は深く息を吐いた。
手分けしようとした俺が馬鹿だったのか。
「野菜コーナーからいきますよ。そのお菓子入れていいから」
かごを出すと、ばらばらと入れられた。
野菜コーナーに向かいながらユノとキュヒョンはきょろきょろと辺りを見ている。
既に飲み物やらが入ったかごに、菓子も無事に入って良かったのか、ユノは更に上機嫌だ。
俺も久しぶりのスーパーで何となく胸が弾む。
「そういや、チャンミン。お前カレー作ったことあったっけ?」
「いやないよ。お前は?」
「俺があるわけないだろ。でもさっき肉とにんじんとじゃがいもとたまねぎを俺達に言ったよな?」
「カレーは学食で食べるからさ。具は大体覚えてるよ」
「でも具以外の材料は何がいるか分からなくないか?」
俺とキュヒョンが足を止めて、ユノを見た。
にこにこしてたユノが俺達の視線に気づいて、二度見してくる。
「あ、大丈夫だよ!本があるから!家に」
「家に……」
とキュヒョンがユノの言葉を繰り返した。
「なーんて、ここに材料も作り方も書いてあったから」
俺はさっき自分の担当だったカレーのルーの箱を取り出した。
キュヒョンが声を上げる。
「おー、これが日本のカレーの素かあ!まあ俺も最終的には携帯で調べようと思ってたけど……ってお前これ『激辛』って書いてあるぞ?しかもよく見たらかごの中に唐辛子と辛そうなソースも入ってるじゃないか!」
ユノの笑顔がはりつく。
「だって、辛い方が美味しいだろ。俺は今日、世界一辛いカレーを作るつもりだ」
「なにサラッと殺人教唆してんだよ!お前の辛さに本気なんて出されたら、俺達一般人はひとたまりもないぞ!」
と言ってキュヒョンが同意を求めるようにユノを見た。
ユノはいつの間にか決断をせまられたみたいな顔をして、床に視線を泳がせている。
そして、言った。
「……チャンミンがいいならいい……よ。俺ついていく!」
と言って顔を上げた。
「こんな死にそうな顔させて高校球児みたいなセリフ言わさせるなんて!お前、思いとどまれ!」
キュヒョンが卵コーナーを背景に俺に声を張る。
「いやいや、大丈夫だよ。俺のは別に作るつもりだから、心配しないでよ」
確かに辛いの好きだけど、いつも大した辛さにしてるわけじゃないのに、そんなにかなあ。
「な、なーんだ。あはは」
ユノとキュヒョンが同時に言って、三人で笑った。
只今18時36分(ユノの退役まで472日)
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記念すべき50回でした。