「夢の続き23」ユノ×チャンミン
店長を追い出してしまった俺と、ふらふらなユノ、そして色白なキュヒョン、この三人でどうにかしなければ……!
レジ内の椅子に座ったユノは今にも崩れ落ちそうだ。
「……病院か?」
もう一つの椅子に座ったキュヒョンが隣のユノを見てからレジに立つ俺を見る。
「この辺で時間外やってるのは公立だから、身分証もないこの人は多分だめだ」
俺の返事にのぼせたような顔を上げたユノが喋った。
「大丈夫。ユノここでチャンミンといる」
「熱が上がってるみたいだぞ」
キュヒョンが俺を見る。
急いで、売り物の「冷えピタ」をユノの額に貼り付ける。
「きもちい」
「ユノさん、俺の自転車で帰れますか?」
ユノの顔を覗き込んだ。
「自転車乗ったことない」
「お前もうこの人自転車乗せて今日は帰れよ」
吐き捨てるようにキュヒョンが言う。
「店どうすんだよ」
「店長さんに戻って来てもらおう」
「結婚記念日だぞ」
「結婚記念日だって、特別ルールは設けていいはずだろ」
「だめ……記念日は……大事だから。お祝いは……ちゃんと」
ユノがうわごとのように呟く。それを見ながら、俺も呟く。
「とりあえず、横にさせないと」
「そんな場所俺が見る限りなさそうだけど」
キュヒョンの言う通り、奥の二畳ほどの個室も商品で埋まっている。このレジ内だって通常は二人の人間が立って動くのがやっとで、上背のある俺達のパーソナルスペースの狭さは半端ない。
「大丈夫……チャンミンと……ここにいる」
そんなこと言ったってあと五時間はある。
考えろ、考えるんだ、シムチャンミン……!
キュヒョンも顎に手を置いた。
横になる場所、横になる場所……。
「あ」
顔を上げる。
「あるのか?チャンミン」
キュヒョンに振り向く。
「……パンコーナーなら、パンの振りして、パンをどければ……!」
「やめろよ。買われたら可哀想だろ」
うんざりした顔でキュヒョンが言う。
「でもその棚くらいしか横になる場所なんて!」
「だからお前が連れて帰れって!」
「だからその間店は誰が働くんだよ!」
と自分で言った後、「あ」とまた俺は声を出した。
ユノも顔を上げて、ユノと二人でキュヒョンを眺めた。
「そこで残念なお知らせがあります」
と、俺達を交互に見たあと、言いながらキュヒョンが立ち上がった。
「俺は生まれてこのかた……レジを打ったことはない……!」
只今17時31分(ユノの退役まで495日)