夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「白が降りしきる深夜 2」テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編


しかし、雨は止んだ。
閉まった店の小さく屋根のついた入口で、今にも青空が見えそうな、明るくなっていく雲間を小さな目の瞳を上にして確認するも、セフンは一息ついた。
隣のテミンの反応を待った。それは自分が後輩と言うことで、そんなに不自然さもないのだ。
と言うことにした。
次の取引先が終われば、会社に戻り、雑用をこなして自分達の勤務時間は終わる。明日は別行動だが、会社に行けば会い、仕事を辞めるまで、彼とはきっと離れることはないとセフンはぼんやり考えた。
変なことにならない方が良いと言う思いは常にあったが、それ以上に相手が同性と言うことがまた想像を膨らませた。
女にもてると言う自覚がある。これまでの恋愛も大体は、こちらも好意を抱くくらい見た目の良い彼女達が、ひとりでに寄って来てくれた。背も高く、さっぱりとした顏だが整っていて、白く綺麗な肌も目立つからだろう、そうセフンは自覚している。
外見の良いどんなタイプの女達とも付き合って来た。そして、男とは付き合ったことがない。
どんなものか想像を掻き立てられるし(それは悪いものもあったが)、御しやすくないものにはある種の尊敬の念も抱いている。
同時に、いつも相手の少ない同性愛者なのだから、飢えているだろうと言う見下した傲慢さも。それらが全部自分の恋心に火をつけていた。
嫌悪感が勝るような経験値と相手ではなかったと言うことで、お世辞にも上手く立ち回れているとは言えないが、大胆不敵な生物には変わりなかったことを、これで己の一面を知ったのだ。
一見すると人相が悪く見えそうな自分の瞳は、泳いで、とうとう反応のない五センチほど低い恋の相手に辿りつき、その額の真ん中でわけた黒い前髪のかかる横顔を捉える。ピンクの唇の端を上にして、やきもきしているこちらを面白がっているのだろうと思いきや、予想外に彼はどこか遠くを見るような、ぼんやりした表情で正面に向いていた。
「あの」
思わず声をかけると、「タクシー拾おう」と気を取り直すように頭を大通りの方に一度動かし、歩き出された。




つづく



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