夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「情状酌量の余地アリ 1」ユノ×キュヒョン

※二次BLです。何でも大丈夫という方のみご覧下さい。







 
ここに来ても帰ろうかと思った。良い予感なんて一つもしない、全く。本当に外は人間が生きる温度とは思えないし、そんな中、俺はここにいる。
仕方がないとも言える。先輩は先輩だから。更に言えば、俺は尊敬すらしていたかもしれないし。例えばそうだ、はじめて出会ったとき。あの人はまだ練習生でもない、ただの訪問者の俺に綺麗なお辞儀をした。彼は完璧なトップアイドルだったにも関わらず。感動さえ覚えたよ。それにダンス。俺はこの世界に入るまでダンスなんてしたことなかったから、そのダンスの格好よさには一目置いた。外見も良いと思う。俺も高い方だけど、もっと高身長で、涼しげな顔の奥二重の目。昔の俺とも違う。今の整形した俺のはっきりした二重とはもっと違う目。鼻も綺麗で。馬鹿がつきそうなほど真面目で、厳しくて、後輩達からは怖がられている反面慕われている。
それでも俺は最初の尊敬の念ももう微かだ。それはなぜか。今、踵を返して帰りたい理由に深く関係している。彼は俺の親友の恋人だ。
俺の一番親しい男友達のはじめての男の恋人だ。
最初聞いた時、正直ぞっとした。彼等は同じアイドルグループで、後輩の俺達の先輩グループだけど、俺が遅れて今の自分が所属しているアイドルグループに加入してからずっと知っている。親友のチャンミンは、ほぼ一般人だった俺に最初から優しかった。あの時は、あいつの恋人はまだ女だった。それから月日が流れて、彼等のグループが分裂した。チャンミンとあの人は二人だけ、デュオのアイドルグループになって、その時も俺は応援した。あの人とはそんなに交流はなかったけど、尊敬できる先輩と、自分の親友だ。それが、くだんの話を聞いて雲行きが変わった。親友の打ち明け話を聞いて、耳を疑った。だって、ずっと女と付き合ってきていたのに。
ぞっとしたけど、でも俺はそれでも応援してたと思う。それは偏見が良くないと言う学習以上に、チャンミンが幸せならと思って。自分の常識が崩れたのも事実だ。今までは可愛い女の子と結婚して家族を持って、そんなことが夢の一つであることが常識だった。それが崩れて、ものの見方も変わった気がする、そういう幸せもあるのかなって。そう思わないといけないという理想論は、勿論知っていてそれもあったけれど。
なのに、彼等の付き合いが長くなるにつれて、喧嘩が多くなって、親友の涙を見ることが増えて、そんな事が引き金だった。俺は思い出したのかもしれない。自分の昔の常識を。そう、俺はやっぱり変わってなかったのだろう。だから女友達を、一番綺麗だと思っていた、魅力的な女友達を、チャンミンに紹介した。
丁度、彼等が大喧嘩をしている最中に。
チャンミンは、彼女と浮気をした。でもそれは体の繋がりだけだ。心はやっぱりあの先輩から離れていないのは分かった。それでも、俺は親友の、最初の浮気の加担者になった。それが、一週間前。これまでにない壮絶な喧嘩を続けているのは知っている。その最中、俺は、チャンミンではなく、その相手の、昔は尊敬までしていたかもしれない、先輩に家に呼ばれた。





つづく

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