夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

お話一覧と投票のご案内のようなもの


ようこそ、皆さま。お話一覧を作ろうとしておる者です。


3パターンに分けて記載致しますので、見やすい方でお探しください。



*はじめましての皆さま。当ブログにはお話の中の「組み合わせ」に不快になられる方がおられるかもしれません。ご注意下さい。
PC板表示は画面一番下でございます。




只今別館にて当ブログの「お好きな長編」「お好きな短編」「クリスマス企画短編」→2016クリスマス企画 - 夢の続き の投票所を設けておりますのでご参加頂けますと当管理人、大変喜びます。随時受付中!


こちらが別館夢の続き


*「EXO企画」をしております。→EXO企画「EXOTICA」概要 - 夢の続き 終了致しました。

*クリスマス企画をしております。読者様お好きな組み合わせでクリスマス当日に上げるお話を書きます。コメント欄にて「誰と誰」とご記入下さい。終了致しました。

こちらが詳細記事夜のつぶやきのようなものとクリスマスのお知らせのようなもの - 夢の続き






それでは当ブログのお話一覧に参りましょう。




I 『グループ』



●東方神起
●SUPERJUNIOR
●EXO
●SHINee
●CNBLUE
グループ別一覧 - 夢の続き




II『組み合わせ』(長編のみ)




◯ユノ×チャンミン
夢の続き - 夢の続き(連載中)
PLAY - 夢の続き(完結)
Kiss me,baby. - 夢の続き(完結)
チャンミンくんの恋人 - 夢の続き(完結)
眠れない夜のエンジェル - 夢の続き(連載中)
Mi envulti vin en tiu profanda forsto. - 夢の続き(連載中)
DOWN TO HELL - 夢の続き(連載中)
そういうこともある - 夢の続き(連載中)
密葬 - 夢の続き(完結)
夜光虫 - 夢の続き(停止)
グラウンドゼロレクイエム - 夢の続き(停止)
◯チャンミン×ユノ
pumpkin!pumpkin! - 夢の続き
◯キュヒョン×イトゥク
不思議な夜に - 夢の続き
Magic - 夢の続き
◯その他
This is love comedy - 夢の続き ユノ×キュヒョン 
ジル・ド・レの住んだ町 - 夢の続き チャンミン キュヒョン ユノ シウォン
鶯 - 夢の続き ユノ×キュヒョン 
麒麟 - 夢の続き キリン×リョウク
DOKI☆DOKI☆らぶ♡ - 夢の続き シウォン×?
少し暗い日々の帳を抜けて - 夢の続き ユノ SJ数人
ミノ子の憂鬱 - 夢の続き ユノ×ミノ
ヒチョルの手記 - 夢の続き ヒチョル
2016クリスマス企画 - 夢の続き
 レイ×ウニョク ヒチョル×イトゥク ユノ×テミン チャンミン×イェソン セフン×レイ ヒチョル×スホ ユノ×キュヒョン チャンミン×ヒチョル
「WAN!WAN!PANIC!!1」ヒチョル ジョル - 夢の続き
人魚の声を聞かせて - 夢の続き ユノ×チャンミン ユノ×キュヒョン チャンミン×イトゥク
朝キュヒョン - 夢の続き
兎になった日 - 夢の続き CNBLUE 東方神起 EXO SHINee SUPERJUNIOR
魔宮 - muragon(ムラゴン) ユノ×カイ
「 I screwed up. 1」チャニョル×ベッキョン - 夢の続き




III『期』(当ブログは現在、不思議期でございます)




◯『はじまり期』


長編
夢の続き - 夢の続き (連載中)ユノ×チャンミン
不思議な夜に - 夢の続き (完結)キュヒョン×イトゥク
PLAY - 夢の続き (完結)ユノ×チャンミン


短編
「日常茶飯事」ユノ×チャンミンの短編 - 夢の続き
「ツンデレ」ユノ×チャンミンの短編 - 夢の続き
2015クリスマスの短編 - 夢の続き(一応三部作です)ユノ×チャンミン チャニョル×レイ?(←こちらは只今別館に移動中) カンイン×シンドン
「placenta」ユノ×チャンミンの短編 - 夢の続き


◯『ラブコメ期』


長編
This is love comedy - 夢の続き (完結)ユノ×キュヒョン
Kiss me,baby. - 夢の続き (完結)ユノ×チャンミン
眠れない夜のエンジェル - 夢の続き (連載中)ユノ×チャンミン
DOKI☆DOKI☆らぶ♡ - 夢の続き(完結)シウォン×? チャンミン ユノ ミノ キュヒョン テミン ヒチョル
ジル・ド・レの住んだ町 - 夢の続き チャンミン キュヒョン ユノ シウォン(観覧数選抜で落選しましたが連載中)
夜光虫 - 夢の続き 停止(観覧数選抜で落選)
グラウンドゼロレクイエム - 夢の続き 停止(観覧数選抜で落選)


短編
「ピクニック」ユノ×チャンミンの短編 - 夢の続き
「共犯者」ユノ×チャンミンの短編 - 夢の続き
仲良し - 夢の続き ユノ×チャンミン(全5話)
「甘い生活」ユノ×チャンミンの短編 - 夢の続き
「熱い愛」ユノ×チャンミンの短編 - 夢の続き
「頑張れユノヒョン」ユノ×チャンミンの短編 - 夢の続き 
「ステージ裏」ユノ×チャンミンの短編 - 夢の続き
「嘘つきは恋人のはじまり」ユノ×チャンミンの短編 - 夢の続き 
「ステージ裏(typeB)」ユノ×チャンミンの短編 - 夢の続き
あとがきのようなもの(短編) - 夢の続き(ラブコメ期の短編、ここまでのあとがきのようなもの)
「あなたと一緒に」ユノ×チャンミンの短編 - 夢の続き
「君の瞳に恋してる」ユノ×チャンミンの短編 ヒチョル イトゥク - 夢の続き
「食卓風景」ユノ×チャンミンの短編 - 夢の続き
「春の雨」キュヒョン×リョウクの短編 - 夢の続き
「P・E・T 1」ヒチョル×ドンへの短編 - 夢の続き(全2話、2話目は別館に移動)
「誰かの誕生日」キュヒョン×イトゥク(不思議な夜に) - 夢の続き 
「俺はヘンリー」ヘンリーの短編 - 夢の続き
「Let’s go to the 遊園地!前編」ドンへ×ウニョクの短編 - 夢の続き(連載中)
「一年記念」チャンミン×ユノの短編 - 夢の続き
「鈍感BOY(ラブコメ編)」チャンミン×ユノの短編 - 夢の続き


◯不思議期(現在進行中)


長編
チャンミンくんの恋人 - 夢の続き (完結)ユノ×チャンミン(開始はラブコメ期から)
麒麟 - 夢の続き(連載中)キリン×リョウク(開始はラブコメ期から)
Mi envulti vin en tiu profanda forsto. - 夢の続き (連載中)ユノ×チャンミン
そういうこともある - 夢の続き(連載中)ユノ×チャンミン
DOWN TO HELL - 夢の続き (連載中)ユノ×チャンミン
密葬 - 夢の続き (完結)ユノ×チャンミン(短編カテゴリーにもいれております) 
少し暗い日々の帳を抜けて - 夢の続き (完結)ユノ SJ数人
鶯 - 夢の続き(完結)ユノ×キュヒョン
ミノ子の憂鬱 - 夢の続き(連載中)ユノ×ミノ
ヒチョルの手記 - 夢の続き(連載中)ヒチョル(続きは別館にて連載予定)
pumpkin!pumpkin! - 夢の続き チャンミン×ユノ
「WAN!WAN!PANIC!!1」ヒチョル ジョル - 夢の続き
人魚の声を聞かせて - 夢の続き ユノ×チャンミン ユノ×キュヒョン チャンミン×イトゥク
朝キュヒョン - 夢の続き キュヒョン
兎になった日 - 夢の続き CNBLUE 東方神起 EXO SHINee SUPERJONIOR
魔宮 -ユノ カイ
「 I screwed up. 1」チャニョル×ベッキョン - 夢の続き



短編
平社員シム・チャンミンの事件簿 - 夢の続き ユノ×チャンミン ミノ ソンミン テミン(開設半年記念、開設一年記念)
「ゲシュタルト崩壊」ユノ×チャンミンの短編 - 夢の続き
病三種 - 夢の続き チェン チャンミン ドンへ 
Moon stories - 夢の続き チャンミン×ユノ シウミン×レイ キュヒョン×イトゥク
Happy Yellow Birthday! - 夢の続き D.O×? ユノ チャンミン ウニョク ソンミン
Vega チャンミン×ユノ(諸事情により下げております)
メビウス キュヒョン ミノ テミン カイ ユノ チャンミン(下げました)
「Xゲーム」レイ×ウニョク(クリスマス企画短編) - 夢の続き
「雪のような恋人」ヒチョル×イトゥク(クリスマス企画短編) - 夢の続き
「クリスマス前の悪夢」ユノ×テミン(クリスマス企画短篇) - 夢の続き  
「X'mas compleX」チャンミン×イェソン(クリスマス企画短編) - 夢の続き
「WHITE SNAKE」セフン×レイ(クリスマス企画短編) - 夢の続き
「How much is your christmas?」ヒチョル×スホ(クリスマス企画短編) - 夢の続き
「HOW WE PARTY」ユノ×キュヒョン(クリスマス企画短篇) - 夢の続き
「聖なる夜に二人だけ(前編)」チャンミン×ヒチョル(クリスマス企画短編) - 夢の続き
「聖なる夜に二人だけ(後編)」チャンミン×ヒチョル(クリスマス企画短編) - 夢の続き
First dreams - 夢の続き チャンミン×ユノ ミノ×テミン タオ×ベッキョン ハンギョン×ヒチョル
「変身」チャンミンの短編 - 夢の続き
「高い牛乳」SHINeeの短編 - 夢の続き オニュ×テミン
「バースデイ」ユノ チャンミン 誕生日記念短編 - 夢の続き
ちょこっと - 夢の続き ユノ チャンミン ミノ テミン キュヒョン イトゥク
世界最後の日 - 夢の続き ユノ チャンミン 誕生日記念短編
Magic - 夢の続き キュヒョン×イトゥク
「黄色い桜」D.O チャニョル - 夢の続き
「Strawberry icecream chocolate cookie marshmallaw caramel cheese cake milk shake honey pudding」ユノの短編(記念企画) - 夢の続き
「ある散歩」ユノの短編(記念企画) - 夢の続き
「見えなくなったら一緒にいましょうよ」CNBLUEの短編 - 夢の続き
ぼくらが恋した貴方へ - 夢の続き チャンミン ユノ D.O スホ シンドン ヒチョル ミノ テミン 北村一輝 ジョンヒョン(CNBLUE)
その目で笑って - 夢の続き ジョンヒョン(CNBLUE) スホ テミン キュヒョン ユノ ヨンファ ルハン ミノ ヒチョル チャンミン
「月的友人」リョウク ルナ キュヒョン(誕生日記念)SUPERJUNIORの短編 - 夢の続き
「Turquoise(ターコイズ)」ジョンシン ミニョク CNBLUEの短編 - 夢の続き
「誕生」ヒチョル×イトゥク(誕生日記念) - 夢の続き
「アラベスク的並行宇宙」ソン・シギョン×シウミン ギュライン(キュヒョン チャンミン ミノ ジョンヒョンCNBLUE スホ) - 夢の続き
「恋人達~message before SMTOWN」ユノ チャンミン 東方神起の短編 - 夢の続き

「恋人達~message before SMTOWN」イトゥク キュヒョン SUPERJUNIORの短編 - 夢の続き

「恋人達~message before SMTOWN」D.O レイ EXOの短編 - 夢の続き

「恋人達~message before SMTOWN」ミノ テミンSHINeeの短編 - 夢の続き

「SUMMER GIFT」テミン×ウニョク(除隊記念)(誕生日記念) - 夢の続き
「ハーケンクロイツ」東方神起 ヨンファ ジョンヒョン(CNBLUE)ドンへ【『海に沈む森の夢』企画1・東方神起二次小説】 - 夢の続き

台風一家 - muragon(ムラゴン)CNBLUE EXO SUPERJUNIOR SHINee 東方神起

死の夢 - 夢の続き 東方神起の短編(チャンミン記念企画)

「犬畜生」ベッキョン チャニョル EXOの短編 - 夢の続き

「極楽鳥」D.O スホ EXOの短編 - 夢の続き

「類人猿」セフン カイ EXOの短編 - 夢の続き

「蜂ノ膝」シウミン チェン EXOの短編 - 夢の続き

今日の料理 - 夢の続き ユノ シウミン チャンミン 東方神起の短編 EXOの短編
ヒチョルちゃんとぼく - 夢の続き ヒチョル チェン SUPERJUNIORの短編
白が降りしきる深夜 - 夢の続き テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編
高身長 - 夢の続き ジョンシン ミニョク チャニョル CNBLUEの短編 EXOの短編
「スホの白い馬 1」シウォン スホ SUPERJUNIORの短編 EXOの短編 - 夢の続き
打ち上げ花火見ながら恋と冷やし中華始めました - 夢の続き
「黒蜥蜴」カイ(レイ誕生日記念)EXOの短編 - 夢の続き



*企画一覧企画一覧(現在) - 夢の続き



長編はほぼ半数が(連載中)と言う物悲しさがございますが、ゆっくり更新して行くつもりでおります。
お話についてのコメント非公開希望の方はどこかに書いて下されば、名前をほぼ伏せて当管理人の返事だけを公開致します。お名前は記載して頂くと有り難いですが「名無し」でも問題はございません。





それでは皆さま、またお話の中で。







睡魔夢子

「Rabbit's Adventures in Wonderland 2」ユノ×キュヒョン


俺の親友は、知る限り、近場でたった一人、向けられていたその好意に気付かなかった。
けど、仕方ないだろう。
相手は同性で、まさか二十年近く一緒に連れ添った仕事上の相方が、自分のことを好きだなんて思いもしないだろう。
でも、誰も気づかなかった。親友だけじゃない。きっと世界中で誰も気付かなかった。
俺以外は。
いつか言うだろうと思っていたし、言えないかもしれないとも思っていた、可能性は半々くらいと。
親友には会うが、パートナーのあの人には最近殆ど会わなかったから、分からなかった。が、式場で分かった。
何も知らない満面の笑みと、まるで今にも死にそうなその表情を見て。
言わなかったなと。
言えば良かったのに。
チャンミンは、潔癖な女好きだから、きっとその気持ちには応えられない。でもそれを突き付けられることで、あの人は次のステップに進めただろう。
だけど、その辛さは想像を絶するだろうから、俺が無責任に言うことじゃないし、結果的には言わなかった。
本当に、何でこんな一生知らなくてもいいことに気付かないといけないのか。
事務所の先輩だし、親友のパートナーだから、赤の他人ではないが、そんな男の恋路なんて正直俺には関係ない。
なのに、俺だけ。
式が始まって、久しぶりに見た人は、黒髪が少し長いなと思ったのと、老けたけれど相変わらず涼し気な、女が好きそうな顔立ちをしていると思ったのと、誰よりも悲しそうだと、思った。
俺はノーマルな趣味だから、その気持ちは分からない。
男が男を好きになるなんて。
あの人だって、俺が気付く前までは、女と付き合っていた。
だから、チャンミンなんか早く忘れて、また女と付き合えばいいのにと思ったのは、何年前だろうか。
その間、浮いた噂一つ出なかった。
つまり、乗り換えなかった。
容量の悪い人だと思った。
最も仲の良い、親友の結婚式だったのに、何よりも気にかかったのが、あの悲惨な表情だったなんて、自分もついていない。
まあ、彼はもっとついていないだろうが。
あれに気づいてからも、彼らと一緒に行動する機会があった俺は、諦めていながら尚、気持ちを消すことができない強い恋慕の表情を、視界に入れ続けなければならなかった。
良く周りの人間は気づかなかったと思う、あんなの。
とうとう親友の結婚が決まって、嬉しそうに報告してくる彼と対になって、あの顔を思い出した。
当日は、想像よりずっと酷い表情で、最中に一人抜け出した姿を見て、最悪のことを考えて思わず後を追いかけた。
でもそれは俺の考えすぎで、当の昔に、いや始まった瞬間から諦めたような表情は更に加速して、無我の境地とまではいかないが、どことなく現実にいないような、まるで花嫁のヴェールにでも神経を包んだような現実逃避を、この人は本当にここにいるのだろうかと思わせた。
その空気には、悲しみが滲んでいただけだ。
これからどうするのだろう。
そもそも、両刀なのか、もう男しか好きになれないのか。
俺がどうにかできるわけではないし、関係ないけれど。
窓の景色はいつの間にか、宿舎に近づいていた。
「キュヒョン」
助手席のマネージャーがフロントミラーでこっちを見ていた。
「はい」
「物思いにふけってるな」
俺は顔をしかめた。
可笑しそうにマネージャーが笑う。
「チャンミンが結婚したからって、結婚はまだ勘弁してくれよ」
「相手がいないです」
まだと言われるのか。
この年齢でアイドルさせて貰えるのは有り難いことだが、恋愛の足枷までいつまで続けられるのか。
「なんだ。珍しいな」
「最近ずっといないですよ」
「そうかそうか」
信じていないように笑われた。スキャンダルにはずっと気を使っていたから、できた時は事務所に伝えることもあったし、伝えないこともあったけれど、兎に角、俺はうまくやると思われている。だからいない時もいると思われる傾向にあった。
確かに、ほぼいたよ。
でも今は本当にいない。あの人間に比べたらその期間も微々たるものだけど。
宿舎に到着する。
自分達のアイドルグループは、数人が結婚したが、元々長く宿舎で生活していた面々は独身だった。
一度、本気で結婚を考えた時は、俺も宿舎を出ることもしてみたが戻った。
そろそろ居残り組は、独り暮らしをまた考え出している。でも俺はやはりこの生活は好きで慣れていて、そう思うと結婚はまだ先で良い。
「また式だよ」
偶然一緒に夕飯を取っていた、こちらも出戻りのメンバー、ドンへが言った。
「そうなんだ。誰?」
「俺は二次会しか行かないけど。練習生だった今はもうサラリーマンのやつ」
「仲良いの?」
このチゲ美味いな。また同じとこで頼もう。
「今はあんまり。でも同年代の飲み会では良く来るし、当時は仲良かったからな」
「ふーん」
「ユノも来るよ」
思わず手を止めた。
悲しげな顔を思い出した。当分会わなくなるだろうと思っていたから、こんなにすぐ名前を聞くとは思わなかった。
「そう。楽しいといいね」
「楽しくない結婚式ってあるかよ」
笑いながら言われる。
俺たちにはないかもね、と心の中で返した。







つづく

「ねえ、俺のこと愛してくれる?1」ヨンファ ジョンヒョン CNBLUEの長編



これは魔法じゃなく、実力でしょ。
みんな魔法にかかったような顔してるけど、良く見て。
俺の目、眩しくて、濡れたような黒目がちでしょ。こんな大きくて丸い瞳見たことある?
艶々して光ってるよね。
口も、唇に色がついて厚くて蕩けそうでしょ。実際キスしたら気持ち良いって言われる。
聞こえる?
俺の声。
かすれてるけど良く通るんだ。歌も得意だよ。実は作曲とかもしてる。俺の声聞いてくれる?
耳元で歌ってあげる。
今してる演技みたいなのではなくて、演技も得意だけど、歌う時は君へ、心を込めて歌うから。
少し目が出て、目蓋がふっくらして見えるよね。閉じて、君のために囁いてあげる。
最近は、身体も鍛えだして、理想通り筋肉もつきだした。
そういう身体は嫌い?
身長は180㎝って一応公式には書いてるけど、本当はそれにちょっとだけ低かったりする。でも1センチくらい。そんな俺に抱き締められるのやだ?
嫌じゃないって言って。
もっと良く見て、もっと俺に夢中になって。
そのために生まれたようなものだから、俺は。
君のために生まれてきたようなものだから、俺は。
人に熱狂されるために、生まれて来たようなものだから。




カメラマンの声がかかり、一息つくと即メイクが来た。
「ヨンファさん、これ終わったら休憩入りますんで」
「はい」
と、頷く。
可愛いけど、それ公私混同でしょ。俺のこと、近距離で見つめられて、良かったね。その熱いまなざしには応えてあげられないけど、君の仕事の役得なところだもんな。
俺に触れて、そうならない女なんて、いないの分かってるよ。
だから君が悪いんじゃない、俺がそう言う人間だから。でも執拗にメイク直すのはやめてね。
休憩入ったら、速攻シナリオ覚えないとな。
今日の撮影分だけでも。
照明が変わって、カメラマンがまた声かけて来る。
「じゃ、いきますね。ちょっと顎あげて、そうそれで」
スチールは楽だよ。でも写真だけじゃ、俺の魅力は伝わり切れない。だけど、やっぱりあのドラマはイマイチだな。シナリオは悪くなかったけど、監督がだめだ。次はもっとマネージャーに言っとかないと。作品の出来で、人気が落ちたら不本意でしょ。まあ、ドラマ一本ぐらいでそんなことさせないけど。
「じゃ、視線ここで」
カメラを指差される。
最近伸ばしている前髪が、目にかかっているけど、そんなので閉じないよ。レンズを見つめて、カメラマンまで落とすくらいの眼差しで。
いや、男だから、本当に落ちたら嫌だけど。世界中が夢中になってほしいし、実際そうなってるけど。本音は可愛い女の子だけで良いよね。一生口に出せないだろうけど。
次の現場では、今回で初登場のアイドルが話しかけて来た。四歳下の二十二歳の子。
「ヨンファさんと共演、緊張します。でも頑張ります」
すごいスタイル良いな。
「私、ドラマ初めてで、こんな有名な俳優さんの妹なんて大丈夫かな」
顏も言うことなしだな。でも、さりげなく色目使ってもだめだよ。彼女は一応いるし、君みたいな子とすっぱ抜かれたら、流石に仕事に影響出る。
疲れたな。
ドラマの強行軍は何とかなんないか。睡眠不足のカメラ映りをカバーするのに睡眠が削られる。
明日の朝、皮膚科行く時間ないだろうな。風呂長めに入らないと。
急に寒くなった秋口だけど、部屋に入ればすぐ暑くなりコートを脱いだ。
そっか、家政婦が来る日だったな、そう言えば廊下から綺麗だった。家のことは、ほぼしたことないし、俺は出来ない。きっとこの先、一生人任せだ。
皿なんかもしまわれた、がらんとしたキッチンでグラスで水を飲みながら、彼女に連絡しないとと思った。彼女も人気女優なのに、最近、結婚の話を出し始めて、喧嘩が増えた。結婚しても仕事は辞めないって言うし、こんな若くに結婚なんかして何になるのかな。お互いマイナスにしかならない。
二年付き合って、別れたいとは思わないけど、このまま行けば別れることも考えないとな。
きっと、俺を見ればどんな女の子でも好きになってくれる、そのくらい魅力があると思ってる。だから、一人でも多くの人間に見て欲しいと思うのに、自分の恋愛はなかなかその先が上手く行かない。
センサーで明るくなる深夜の台所は、落ち着いた明るさが、疲れた体にほっとするけど、マネージャーもいなくなり、独りになると最近時々虚しくなる。
誰もいないダイニングテーブルの椅子にぽつんとかけられた俺の黒いコートを見ながら、リビングへ移動した。
明日ファンクラブ用に映像撮るって言ってたな。本番は俺の私物あげるって。ファンはありがたいけど、出来るなら遠くから見ていてほしいのは、我儘だろうか。この前のストーカー、事務所の警告守ってるみたいだな、今日は見なかった。
テレビをつけようとして、先に風呂に入ろうと、今日の撮影で買い取ったデザインシャツの襟を開けて、袖のボタンを外した。
俺は、そのまま動かずに、チャームポイントと自覚している大きく濡れた丸い瞳を背後に走らせた。
誰もいなかった部屋に、気配がする。
数度、瞬きをして、心臓を鳴らす。家政婦はそんなことはしないだろう。
ストーカー。
髪の長い、青白い女が思い出される。あいつ入って来たのか。けれど、もう一つ、気になる音がした。
何か、羽音のような。
素早く後ろを向いた俺が見たのは。
色の白い、人間と思えないほど綺麗な整った顔をした、黒い上下を着て佇んでいる。
男。
同じくらいの身長に、睫毛が多く、恐ろしく切れ長の目。
「ヨンファ」
と、喋った。背筋が震える不思議な声を聞きながら、言葉を失っている俺に続けた。
「あなたはあと一か月で死ぬ」
そうはにかんで、背中に拡げた、巨大な蝙蝠のような翼を揺らめかせた。







つづく