夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「DOKI☆DOKI☆らぶ♡~もう一つのエピローグ~」シウォン ユノ チャンミン キュヒョン ミノ ヒチョル


俺の名前は、ユノ・ユノ、26歳。



日本語教師、みずがめ座。



最近の悩みは担任の生徒が自由に動き回りすぎる事。



俺の恰好が変だと言われたこと。



いきなり海外転勤が決まったこと。



担任の生徒に告白されてしまったこと。



いっぱいありすぎて、どうにもならない。



「あのっ。先生」



「え?」



俺は職員室の、デスクで顔を上げる。



ああ、学級委員のキュヒョンだ。



「おお。どした?」



まだ残ってたのか。



体育祭を控えている今、遅くまで練習をし出した生徒もいる。



うちのクラスは運動のできるやつばっかりだから、特に闘志を燃やしているのかもしれない。



今日は、職員会議があったから、顧問の合気道部の方に顔を出しただけになってしまった。



でも明日はうちのクラスの練習に付き合えるかな。



しかし、いつも真っ赤な顔してるな。肌が白いから良く分かる。



「あの……話が、あります」



「ああ、なに?」



「こ……ここでは、ちょっと」



眼鏡を指でかけ直して視線を泳がす。



外を見る。最近日が暮れるの早いな。



「ここでは言えないの?」



キュヒョンが真っ赤な顔で頷いた。



手元の採点途中のテスト用紙を見ながら立ち上がった。



「じゃあ教室行こうか」



夜の廊下に電気がついている。



隣を歩く真っ赤な顔のキュヒョンを見ながら、なぜか俺はいつもこの学級委員にちょっかい出したくなるな、と思った。



可愛いのかもな。



教室の電気をつける。



「座って話すか?」



教室の入口に立ったまま、俯いて首を横に振る。



「まあ入れよ」



キュヒョンがそろそろと教室に入った。



誰かの机に俺はもたれかかる。



「なに?キュヒョン」



眼鏡の奥で目が泳いでいる。



「あ、あの。シウォンのことなんですけど」



「ああ」



俺に告白してくれた生徒だった。



正直言うと、俺はこの学園で何回か告白されたことはある。



でもあいつは特別だった。



学校外で会ったんだ。



シム・チャンミンが転校してきてからというもの、彼と自由に動き回って大変だけど。



可愛い生徒だ。



本気で、あいつの気持ちにどう答えるかこれから考えて行かないとな。



思わずこめかみをかく。



「シウォンが、先生に告白しましたよね?」



真っ赤な顔が更に赤く見える。



「ああ」



「お、俺も、言おうと思って!」



目を瞬かせる。



まさか。



どくん、と胸が一回鳴った。



「好きですっ!ユノ先生っ!!」



キュヒョンが赤い顔を上げた。



思わず、口がぽかんと開く。



キュヒョンの顔を見つめて、俺は息も止めた。



なるほど。



これか。



俺はシウォンを思い出していた。



男でも、関係ないってこういうことなのか。



胸が高鳴ってきてる。



俺の心臓が・DO・KI・DO・KI・してる。



可愛い生徒は沢山いる。



でも俺が、この学級委員に思っていたのはそれじゃなかったんだ。



俺はどうやら、気になる子に、ちょっかいだしてたらしい。



待て待て。



そんなことはあるか?



男だよな?



固まってる俺は不安そうに俺を見るキュヒョンを見つめるしかできない。



何か言え、俺。



どうする?どうする?俺!



いや、でも男だし、生徒だぞ。



「あー……」



言葉が出ない俺を見て、傷ついたような、悟ったような顔をして、視線を泳がせた。



「すいませんでした……帰ります!」



いきなり身をひるがえしたキュヒョンの腕を掴む。



目を丸くしたキュヒョンに俺は、押し当てていた、



こともあろうか唇を、



その口に。



俺だって目を丸くする。



「あ……」



顔が離れたキュヒョンが自分の口を両手で抑える。




その時っ♡♡




カシャーン



教室の入口で、こちらを見て呆然と立っているシウォンがいた。



床にばらまかれた豆が見える。



なんで豆?



なんであいつは豆なんか持ってんだ!?



豆と、それを入れていた容器が廊下を転がっている。



シウォンが背を向けて走り出した。



口から手を下げて、それを見ていたキュヒョンと目を合わせる。



「キュヒョン、話はあとでちゃんとするから!」



キュヒョンが目を見開いたまま、ゆるく数度頷く。



「待て!シウォン!」



豆ですべる。



「うるせーよ!豆拾っとけ!」



なぜかあいつの後をシム・チャンミンが追いかけてる。



「待てって!こらっ!」



俺も必死にあとを追いかけた。



でも、ついに二人の姿を見逃した。



途方に暮れる。



あー、俺は一体何やってんだ。



教師としてあるまじきだぞ。



あとでシウォンの家に行くか?



言うしかないな。



下手したら、俺は職を失うぞ。



肩で息をしながら、突っ立って考える。



仕方ないな、その時はその時か。



自分がやってしまった行為に言い訳しても仕様がない。



嘘だけはやめよう。



ドキドキする心臓を抱えたまま、教室に戻る。



豆が全部拾われて、容器を持ったキュヒョンがいた。



「あ……」



戻って来た俺を見て顔を赤くする。



容器を近くの机に置いて、俯いている。



「キュヒョン」



「俺がっ言います!シウォンに!」



「え?」



「ユノ先生がちょっと慌てただけだったって!」



床を見ながらキュヒョンが叫ぶ。眼鏡のフレームを上げながら視線を泳がせた。



「気の迷いは誰でもあることだから!」



そう言って、俺を見ないまま言葉を切った。



俺は頼り過ぎてたな。



もしかしたら今までずっと頼り過ぎてたのかもしれない、



こいつに。



いつも俺を最優先させて、そして、謙虚でいるから。



「そんなことあるわけないだろ」



キュヒョンがぴたっと静止する。



「そんなことないよ、キュヒョン」



目の前の机に視線を彷徨わせて、静止したまま何も言わない。



「誤解させるようなやり方で悪かったけど、俺はお前が好きだよ」



不安そうな顔を上げる。



「好きだよ、キュヒョン。卒業まではもう何もしないし、そこまで待てなかったらお前は好きにしていいし、俺が学校にいられなくなったら、その時はその時で何か考えるよ」



その瞳がうっすら潤んでくるのを俺は見ている。



なあ。学級委員と教師の恋なんて、結構息が合うんじゃないか?




いや、でも、まずシウォンだな。




「待てって!!」



「来るなヨっ!」



っもう!ダメっ!



涙が止まらないよっ!



あんなのっ!ダメなんだからっ!



あんなの見ちゃったらシウォンダメなんだからっ!



「どこまで行くんだよっ!」



肩をぐいっと掴まれて、その場に倒れ込む。



「いったーい」



「いって……」



尻もちついた俺たちが向かい合って顔を見合わせる。



「痛いヨっ!」



頭に星が飛んでチカチカしちゃうんだからっ!



「お前が止まらねえからだろっ!」



シム・チャンミンが頭を押さえて目を細めてる。



「だって。だって……」



ワアアンと俺は泣いた。



泣き虫シウォンさんは卒業って思ってたのに!



でも今くらい許して!



だって、だって、やっぱりユノ先生はキュヒョンのことっ。



ひどいよっ!



ううん、分かってた、



本当は。



ユノ先生が、いつもキュヒョンに一番最初に話しかけるの。



学級委員だからってわけじゃないよ。



キュヒョンだけ、なんか違ってた。



俺には分かってた!



ワアアン。



「うぜーな。もー」



尻もちついたまま、アイツが後ろ髪をワサワサとかく。



「だって、だって!仕方ないジャンっ!」



夜の曲がり角で、俺たちは尻もちをついてた。



「あれも普通だって思えよ」



そっぽを向いて、面倒そうに言う。



「思えないよっ!」



どんな欧米だヨっ!



俺は声を上げて泣く。



舌打ちしてシム・チャンミンがハンカチを取り出した。



「お前な、俺のハンカチなくなるぞ」



そう言って俺の顔に投げつけた。



「酷いヨっ!」



何でそんなに乱暴なワケっ!信じられないんだから!



でも、投げつけられて、もう俺の涙で汚れちゃったから、それでまた拭いた。



「……鼻かんでいい?」



「マジかよ、信じられねーな」



俺は口を尖らせる。



「かめよ」



うんざりした顔で斜め上をアイツが見てる。



俺は唇を突き出したままかんだ。



シム・チャンミンが小さく噴き出して笑った。



「笑うなヨ!」



可笑しそうに、もっとアイツが笑う。



ふうん、笑顔結構可愛いんだ。



でもユノ先生の方がステキなんだからネ!



って……



「何だよ?」



ハンカチを持って黙った俺を訝しんで見た。



だって、もう言えないモン。



言ったらダメ。



だって、ユノ先生は……



シウォンじゃない誰かの王子さまになっちゃったから。



「何か言えよ」



「俺、失恋しちゃった……」



アイツが溜息をつきながら顔を背けた。



「俺だってしてるし……」



ぼそっと呟く。



「あ……」



今気づいて声が出た。



「おっまえっ!忘れてんじゃねーぞっ!!こらあっ!」



シム・チャンミンが立ち上がった。



尻もちついたまま、すっかり忘れてた俺と怒ってるアイツが面白くて、笑いがこみ上げる。



「やっだー」



おっかしーんだから!



「てっめ……」



笑ってる俺を見下ろして、ふいっとそっぽを向く。



「まあ、笑ってる方がいいよ。お前は」



耳まで顔を赤くしたシム・チャンミンを見上げた。



変なのっ!



でも、パパ。



もしかしたらシウォン。



これからユノ先生のお話少なくなるかもしれないヨ。



ちょっぴり口が悪くて、乱暴な王子さまに……




ぶつかっちゃったかもしれないんだ☆





「何で豆だよ」




中庭を挟んでコの字になった校舎の三階の窓から、向こうの二階の廊下を眺めて稲妻シンデレラが呟く。



「仮装障害物競走でシウォンが鬼の恰好で出ることになったんですよ」



「それで?」



「なんか日本の風習で鬼に豆投げるのがあるらしくて、みんなで投げながら応援しようって」



「それ使い方あってんのかよ」



稲妻シンデレラが眺めている視線の先で、キュヒョンが豆を拾っている。



「まあ、深くは知りませんけど、シウォンが家から持って来るって言ってくれて」



「自分を応援するもの自分で持って来たのかよ」



「シウォン優しいんで」



「関係あんのか。まあいいや、ラーメン行くぞ」



稲妻シンデレラが教室に戻って鞄を取って来た。



ミノと廊下を歩き出す。



「あの、そろそろ放課後戦うのやめませんか?」



「じゃあお前さっさと負けろよ」



「なんかやりだすと本気になるし」



「何で練習しながら喧嘩すんだよ。どっちかにしろよ」



「どっちも放棄できないんで。あと、この流れで行くと俺達くっつきますよ?」



「どういう流れだよ。無理やりすぎんだろ」




「いや、多分これ、そうなると思います」


















『DOKI☆DOKI☆らぶ♡~もう一つのエピローグ~』☆E・N・D☆

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