夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「白が降りしきる深夜 9」テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編


無駄な音がしない空間で、透明なグラスの中の小さな泡がはじける音だけが聞こえる気がする。
テミンが残りがあるそれをフローリングに置いた。
表情を無くした色白な男は、組んだ足元にことんと音を立てただけで立っているこちらを見上げていた。
居心地の悪さを覚えたが、後には引けなかった。
彼の背後ではカーテンのかかっていない黒い窓一杯に、はり付いている。
そう言えば、濡れたままの傘をドアの前に立てかけるだけで、置いてしまっている。ドアを濡らしているが、何も言われないから問題ないだろうと意識を前方に集中させた。
「セフン」
少し鼓動を速めて、自分の名を出した場所を眺める。
「俺はお前と、どうにかなる気はないよ」
ピンクのそこを見ながら、小さな口を突き出しそうになった。予想よりずっと胸が痛んで、セフンは眉を顰める。
なぜ自分では不足なのかと言う疑問と、やはり社内恋愛で同性同士と言う、ここにも存在していた常識に対する諦念に縛られ、何も言えない。
上手い言葉が見つからない。相手が女なら隣に座り、とりあえず面白い冗談でも言って和ませ、あとは近くで見た目の良さを意識させれば向こうから誘ってくれるのにと。
まるで愚痴をこぼすように思ったまま、
「俺がゲイじゃないからですか」
と出していた。
足を組んだ体勢で、無表情に横向き、柔らかそうな後ろ髪を揉むようにテミンは触ってから、手を止めた。
「俺がゲイだから」
あらぬ方へ静かに返して、セフンに向く。
感情を出さず伺うような眼差しは、自分を責めていると伝わっている。が、その理由を早く聞かせてもらえないだろうかと見つめ合った。
「それだけじゃ、選択肢が多すぎて」
呆然と漏らしたセフンに、
「じゃあ、その選択肢聞かせて」
と、変わらない表情でまた返された。






つづく

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