「PLAY3」ユノ×チャンミン
俺のベッドに二人で腰掛ける。
「あの壁ドンやめてよ」
「ヒョンもしていいですよ」
髪を拭きながらこちらに見向きもせずに淡々とチャンミンが答える。
「俺はしないからチャンミンもしないでよ」
「そんなに嫌ですか?」
「嫌だよ!」
少し声を張った俺をちらりと見て、また前を向いて髪を拭き出した。
「じゃあ1日1回にします」
「増えてるよ!」
思わず笑ってしまって、チャンミンもその俺に無表情を破って笑顔になる。
笑顔のチャンミンを見ると、元からこぼれそうな大きな目をした愛らしい顔をしているのも相まって、可愛くなってしまって、またどうでも良くなってきた。
「ドライヤー使ってきます」
「うん」
そう答えてから、やっぱり甘いかと思ったけど、もうドライヤーの音が聞こえてきて、完全に諦める。
ツアー中に傷んできた腰のストレッチも終えた後、携帯電話のゲームに夢中なチャンミンに気にせず、横になりながらベッド脇のスイッチで電気を消そうとして、思い出した。
「なあ、チャンミン」
「はい」
俺と同じくもう一つのベッドにうつ伏せで横になってるチャンミンはゲームが難しいステージに入ったみたいで、画面を見ながら口元を動かしている。
こうしてみるといつの間にこんなに成長してしまったんだろう、とその長く延びた身体を見て思った。最初は俺の方が身長高かったんだけど。
でもやってることは変わらない。
「ゲーム楽しい?」
「はい。めちゃくちゃ」
「彼女のこともう何とも思ってないよ」
チャンミンの手が止まった。
画面はまだチカチカと光ってステージは終わっていないように見える。
「へえ。そうですか」
チャンミンは手元を見ているけれど、その指は携帯電話を持っているだけだ。俺のせいで邪魔したなと思った。
「それだけだから。おやすみ!」
と言って、スイッチに手を伸ばそうとしたらチャンミンが起き上がって、伸ばすのを止めた。
ベッドに腰掛けて、面倒くさそうに首を回してから俺を見て少し微笑む。
「何でそんな話を?」
俺はその様子を見ながら、藪蛇だったと少し後悔した。お互い疲れているのに別れた恋人のことなんて、チャンミンに真剣にさせる話でもなかった。
「いや、大した意味はないよ」
「わざわざ言うってことはまだ未練があるんじゃないですか?」
チャンミンは全く表情を変えずに俺を見ている。
つづく