「チャンミンくんの恋人18」ユノ×チャンミン
「あと、これも買っといたよ」
マネージャーがつんつるてんのパジャマを着たユノに、手渡した。
人形用のコップ。
「洗いましょう」
俺はユノから取って洗って、また手渡した。
「ありがとうございます」
ユノが少し眺めてから顔を上げて微笑んで言った。
「ありがとうございます」
俺もマネージャーに言った。
「まあ後は、いるようになってからおいおい買って行こう」
コップにはセットでフォークとスプーンがついていたけれど、こっちは使えなそうだなと思った。すぐ折れちゃいそうだ。
久し振りに、三人で夕食を食べて、酒も少しだけ飲んだ。
これもマネージャーが買って来たうがいだけでできる歯磨きを、洗面台の上でユノがする
後ろで俺も歯を磨く。
「これで綺麗になんのかなあ?」
「気になる時にはガムも噛んで」
「うん」
「どうぞ」
手のひらを差し出すと、ユノが乗る。
「なあ、このパジャマきついから、ハンカチか裸で寝たいんだけど」
「じゃあハンカチ出します」
デスクチェアーからユノをベッドに置いて、ハンカチを持ってきて着替えさせる。
「チキン美味しかったですね」
「うん」
「じゃあ、寝れますか?」
「うん」
ユノが横になる。
「チャンミン。おやすみ」
顔を上げてにこっと笑う。髭どうにかしないとな。
「おやすみなさい」
電気を消して俺も横になった。
「チャンミン」
「何ですか?」
目を瞑ったまま応える。さっき横になったユノがどうやら俺をデスクの上から眺めに来たらしかった。
「うん、そこならいい」
目を開けて、デスクを見上げると、もう戻っていた。
「早く寝て下さい」
「はーい!」
そう言えば、今日はユノとずっと一緒にいた。
いつぶりだろう。
休日丸ごとユノと過ごしたのは。
休みになると、いつもお互いの友達や、恋人がいる時は恋人と過ごして、それで休日が終われば何したかなんて報告し合ったりするのが日常になっていた。
家族だけにしか電話をしなかったってことは、分かっていたけどユノには今、そういう彼女はいなかったんだな。というかいなくて良かっただろう、いたら別れ話をユノは切り出している。しかもその電話をかけるのは俺だ。
俺にも丁度いないけど。そういう相手がいるといつも携帯電話を気にしてるし、この非常事態の今は、お互いいなくて良かった。
思いがけずユノと一日中過ごした休日も、そんなに悪くなかったかもしれない。
まあ続くと大変だろうけど。
俺は、少し笑みを浮かべながら、今日も意外と疲れていたのか、
すぐに眠りに落ちた。
つづく