「DOKI☆DOKI☆らぶ♡11~桃色のロンリネス~」シウォン ユノ チャンミン キュヒョン ミノ ヒチョル
~~~~前回までのあらすじ~~~~
男子校に通っているシウォンはなんと女の子!突然の雨の中、走って追いついたシム・チャンミンが、子猫と一緒に弟の部屋に来たっ!☆でもユノ先生のことを知られちゃって……!!桃太郎役で学園のアイドル、ミノ、おじいさん役で学級委員のキュヒョンも交えたシウォンのDOKI☆DOKI☆学園生活はどうなるのっ!?☆
「と、とりあえずっ。練習には来なヨっ!」
「やりたくねーって」
「そんなこと言って一日でセリフ覚えてたくせにっ!」
そう、コイツがキュヒョンに降板されない理由は、練習初日で台詞を全部覚えてたからなのもあるんだ。棒読みだったケド!
真面目なのか不真面目なのかワカンナイヨっ!
変なのっ!
「あんなのやる気なくても覚えられるし」
「俺は覚えてなかったヨ!」
「え……」
アイツがこっちを見たから、俺もアイツを見た。
「な、なに本気で心配そうな顔してんダヨ!ヤメロヨ!」
失礼しちゃうんダカラっ!
「とにかくっ、来いよ。大体なに一匹狼気取っちゃってんのっ。みんな心配してるんだからナ!」
そうしたら、シム・チャンミンは俯いて、
「気が向けば」
と、切れた口の端をちょっと上げて、呟いた。
耳まで赤くなってる。
さっき子猫に微笑んでた時の笑顔の方が可愛かったンダカラっ!
「さ、これ貼るよ」
救急箱から絆創膏を取る。
「なあ」
「ナンダヨ?」
片膝だけ立てて、その膝に片っぽだけ手首を乗せて座った姿で言われる。
「この部屋お前の部屋じゃねーだろ」
「は?」
視線を床に落としたまま、いきなり言われて、俺は目を見開く。
「だってカーテン違うし」
もう赤い顔は戻って、口角は上がったままで、淡々と言う。
「な、なに言ってんだよ」
「カーテン、ピンクだっただろーが」
「あ……」
「あの時着てたセーターも、ピンクだったし」
心臓がまたドキドキしてきた。
「俺、お前の事、結構分かって来たから」
「な、何言ってんだヨ……」
「なあ、そうだろ?」
シム・チャンミンが顔を上げて、俺を見た。
俺は絆創膏を手に持ったまま、唖然としている。
「何より窓の位置違うし。お前の部屋、ピンクばっかなんじゃねーの?」
いきなり何なのっ!
ダメっ、何か言わなきゃっ。
上手く否定しなきゃっ。
俺が本当は、女の子だって、
勘付かれちゃうよっ!
「お前、本当は……」
大きな目が正体を暴いたように俺を見る。
もうダメっ!
「本当は、少女趣味だって、俺には分かるぜ?」
シム・チャンミンが、片側だけ、口角を上げて俺を見た。
それから、アイツは、ママが買って来てくれた猫ミルクを子猫に与えて、子猫と一緒に帰って行った。
「姉ちゃん、また泣いてんの?」
ドアの向こうからテミンが言う。
「ほっといてっ!」
「俺もいきなり雨降ってきて大変だったし、子猫見たかったよ」
「ペットショップ行けば見られるデショっ!」
ワアアンと声を出して泣いた。
そしてっ☆☆
きーんこーんかーんこーんきーんこーんかーんこーん
「暇な時だけだからな」
放課後。頬を染めたシム・チャンミンが、ぷいっと横を向いて言った。
俺とミノとキュヒョンはそれぞれ顔を見合わせる。
「じゃっ、やりますか」
ミノが笑って腰に手を置いてのびをした。
「棒読みはやめてくださいね」
キュヒョンが眼鏡を触りながら言う。
「うるせーよ」
アイツが口を尖らせた。
俺はクスッと笑った。
「お。揃ったな」
キュウウウウン♡
ユノ先生!
面白い柄のシャツだけど今日も格好いいんだからっ!
「先生も……今日は参加ですか?」
キュヒョンが真っ赤な顔で言う。
「いや、悪い。俺はこれから体育館行かないと」
「そうですか……」
キュヒョンが残念そうに顔を俯けた。
「じゃあな!頑張れよ」
ユノ先生が出て行って、ちらりと俺を見た正面のシム・チャンミンと目が合った。
羨ましい顔をしてたのが見られて、ちょっと睨んじゃう。
「……ってか、お前最初からバレバレだったし」
アイツが白い目で見ながら、声を出して呟く。
「なっ」
俺は思わず声を上げた。
「どした?」
隣のミノが俺を見た。キュヒョンはミノの隣で首を傾げている。
「ウウン!何でもない!さっ、練習しようゼっ!」
慌てて首を振って俺は言った。
シム・チャンミンのヤツっ!
ってか、バレバレだったのっ?!ヤダっ!!恥ずかしいんだカラっ!
「じゃ、帰るか、シウォン」
「うん」
キュヒョンが職員室に終了の報告をしに行って、アイツは久しぶりの参加だったから、家庭科室で衣装合わせをしてから帰ることになって、俺はミノと二人で帰っていた。
こんなに遅くまで学校にいられるのは今だけ。
もうすっかり夜だ。
……キュヒョンイイナ。
俺も一緒に報告行きたかったけど、残ってたみんなに変に思われるのが恥ずかしくて行けなかった。
シウォンの意気地ナシっ。
今頃二人でどんなお話してるんだろう……。
「シウォン」
「え?」
「また考え事かよ」
ミノが苦笑した。
「あ、ゴメン」
「いいよ、慣れてる」
ミノが前を見て言う。
今日もすごい量のプレゼントを抱えてて、でも俺が手伝うって言っても断られた。
「やっぱり俺も持つよ」
「いい」
「そう……」
俺も前を向いた。通りかかりの公園から、虫の声が聞こえる。
「誰のこと、考えてるの?」
「え……」
またミノを見る。でも顔が半分隠れるほどプレゼントを持っているから、表情は良く分からない。
「今日アイツが練習に来たのって、シウォンの影響なんだろ?」
「え……ああ。昨日来いって言ったよ」
「アイツのこと、好きなの?」
びっくりして、一瞬言葉につまった。
「んなわけないジャンっ!何であんなっ」
確かに、考えてる事はあるケドっ!俺の好きなのは……
「たまにはさ」
ミノは俺の返事を全く気にせずに続けた。
「俺のことも考えてよ」
目を瞬かせながら、ミノを見つめる。
でも、やっぱりその顔は分からない。
「何言ってんだよ!変なこと言うなよナ!」
コイツ、こーゆーとこあるんだっ。
っもう!いつもの笑顔が見えないと、調子狂うジャンっ。
「そうだな」
ミノがこっちを向いて、にこっと笑った。
何となく俺はホッとする。
「やっぱ持ってくれる?シウォン。俺より力持ちだし」
「っもう、仕方ないナ!」
☆つづく☆