夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「DOKI☆DOKI☆らぶ♡16~日本一の桃太郎~」シウォン ユノ チャンミン キュヒョン ミノ ヒチョル

~~~~前回までのあらすじ~~~~
男子校に通っているシウォンはなんと女の子!『シンデレラ』と『桃太郎』の上演で熱くなった会場!!☆「村人」のユノ先生のことが好きなシウォン演じる「鬼」に稲妻シンデレラの「シンデレラ」が迫って来た!ミノの「桃太郎」と、『殺しのバンビ』の「おばあさん」、キュヒョンの「おじいさん」の前に飛び出したシウォンのDOKI☆DOKI☆学園生活はどうなるのっ!?☆







「まだ早いですから、鬼には鬼ヶ島に帰ってもらいましょう!」



おじいさんが続けようと頑張ってる。



「ご、ごめんっ」



起き上がった俺のあとから、ピンクのドレスのシンデレラが舞台に出た。



客席から更に「あ!!」と声が上がって、フラッシュがたかれた。



桃太郎とおばあさんとおじいさんがぎょっとした顔をする。



「わりいわりい」



そう言って、俺の赤い腕を掴んだ



ああん!早く引っ込まなきゃ!



立ち上がって戻ろうとすると、掴まれた腕を引かれて、みんなの前でシンデレラに背中から抱きとめられる。



な、な、な!なにっ!



「てっめ、ふざけた真似してんじゃねーぞ!!コラァ!!」



きびだんごを床に叩きつけたおばあさんが、裾を捲りあげながら仁王立ちになる。



客席がどよめいた。



「お、おばあさん、落ち着いて下さい!腰を曲げて下さい!」



おじいさんが間に入った。



じたばたする俺を更に強く抱きしめて、背後からシンデレラが顔を寄せてくる。



「わりいな。この鬼があまりにも可愛かったから、フライングでキスしてたんだ」



「キスしたんですか?」



桃太郎がにこっと笑って、刀を抜いた。



「八つ裂きにしてやる」



「そ、それは偽物の刀ですよ!桃太郎!」



おじいさんが刀を見ながら言う。



「マジで許さねえ!!!鬼離しやがれ!!」



殴りかかろうとするおばあさんを、おじいさんが抑えた。



「暴力はやめてくださいっ!おばあさん!!」



「すまんすまん、キスはまだだった」



おばあさんを見ながら、クスクス笑うシンデレラが続けて言った。



「しかしお前、本気で惚れたんだな」



おばあさんが動作を止める。



「な……んなわけねーだろっ!!そんな鬼!どこにそんな証拠があんだよっ!!馬っ鹿じゃねーの!!」



おじいさんの腕を払いながら、耳まで顔を赤くして、おばあさんが言う。



会場中が白い目で見た。



「あそう。じゃあ、これは俺が貰う。俺は本気になった」



シンデレラが俺に頬ずりした。



「やっ。やめっ」



「退治する、シンデレラ」



桃太郎が刀を構えた。



「桃太郎!退治するのはその人じゃありませんよ!」



おじいさんが叫ぶ横で、おばあさんが叫んだ。



「許さねえぞ!!シンデレラ!!」



「お前らじゃ俺に勝てねえよ」



シンデレラが鼻で笑った。



ダメっ!!この人本当に強いんだよ!!



「女の恰好して何言ってやがんだよ!!!笑えるぜ!!」



「お前、自分の役が何か分かってんのか」



「ダメ!勝てないヨ!やめて!!」



「うるせーな!!勝てんだよ!!お前は黙ってろよ!!」



おばあさんが俺に怒鳴った。会場が息を呑んで俺たちを見つめる。



「猿とキジと犬も呼んでいいぜ」



シンデレラが俺の頬を手の甲で撫でながら笑った。



「猿とキジと犬は逃げました!」



おじいさんが指さした方をみんな見る。



ステージの下で走っていく三匹の後ろ姿が見えた!



フラッシュがたかれる。



「あんな畜生共いらねえんだよ!!俺だけで十分だぜ!」



「じゃあここでケリだな」



その腕から解放されて、床に手をついてへたり込みながら俺は言う。



「や、やめてよ!!喧嘩はダメなんだからっ!!」



「うるせーな!!お前は俺が守るんだよ!!」



おばあさんが手をぱきぱきと鳴らして鬼の俺を見た。



「え……」



そ、そんなこと言われたら・DO・KI・DO・KI・しちゃうジャン!



会場中がやっぱりなと頷く。



「こてんぱんにしてやる」



シンデレラがぎらりと目を光らせて、艶めく口元に笑みを浮かべた。



「女の恰好してる奴に言われたくねーんだよっ!!」



おばあさんが拳を振り上げる。



「だからおめえ何役なんだよっ!!」



言いながらシンデレラも拳を振り上げて同時に殴り掛かった。



「だ、だめえっ!!!やめてーーーー!!!」



立ち上がりながら鬼の俺が叫んだ。




その時っ☆☆




「おっ、お前らああ!!!」



動きを止めた俺たちがステージの下を見る。



「お前ら何考えてんだ!!」



息を切らせながら走って来た村人の後ろに、息を切らせた猿とキジと犬がいる。



「今日はまともな恰好してんじゃん」



シンデレラが見ながら呟いた。



素敵な素敵な村人っ!!あなたが好きっ!!



「しょ、正気か、お前ら!!」



はあはあ言いながら、ステージの下から俺たちに言う。フラッシュがたかれた。



「とっ、とりあえず最後をしろ」



苦しそうに体を前に屈めて村人が言った。



ナレーションが入った。



「桃太郎一行は、沢山のお宝を持って、おじいさんとおばあさんの待つ村へ戻りました」



「おとうさん、おかあさん、ただいま帰りました!」



「えらいぞ、えらいぞ、桃太郎。日本一だ!」



「よくやりましたね、桃太郎!」



桃太郎一行に俺が入ったまま、なぜか村人の中にシンデレラがいる村で、みんな笑顔で肩を抱き合った。



「こうして桃太郎たちは、末永く幸せに暮らしましたとさ」



ナレーションと共に、良く分からないまま盛大な拍手を送る観客の前で、肩を抱き合って一列に並んでおじぎをした。幕が引かれた。



舞台のこっち側では、



「河川敷だぞ」



「うるせーな、言われなくても足腰たたなくしてやるぜ」



隣同士で肩を抱き合っていたシンデレラとおばあさんが呟いてる。




っもうっ!どうすればいいのっ!







☆つづく☆

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