夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「DOKI☆DOKI☆らぶ♡17~サヨナラの前に~」シウォン ユノ チャンミン キュヒョン ミノ ヒチョル

~~~~前回までのあらすじ~~~~
男子校に通っているシウォンはなんと女の子!シンデレラも乱入しちゃった『桃太郎』がついに幕を閉じた!!でも河川敷で決闘の約束が残ってるっ!☆「殺しのバンビ」のシム・チャンミン、「稲妻シンデレラ」のキム・ヒチョル、大好きなユノ先生、学園のアイドルで友人のミノ、学級委員でライバルのキュヒョンも交えたシウォンのDOKI☆DOKI☆学園生活はどうなるのっ!?☆







どうにかしなきゃっ!



……でもあの番長やめてくれないだろうナ。



本気で俺とキスする、って。



ダメっ!そんなの!



そんなこと言われたら、ちょっとドキドキしちゃうけど、あの人コワイし!



それに、シウォンの王子さまはユノ先生だけっ!



でも、でも……



俺がキスされないように、アイツと、ミノまで戦おうとしてる。



もしかして、



シウォンの王子さまは……他に……いるの?



なんてね!



「シウォン。遅かったな」



「ごめーん!」



家庭科室で着替えてから戻ると、ミノはもう着替え終わってた。



「あれ?これだけ?」



教室にはミノと、キュヒョンと、寝ているアイツしかいない。



「みんな小道具捨てに行ったよ」



「あ、そうなんだ」



写真は沢山撮ったからいいけど、教室には桃しか残ってない。



寂しいけど、そろそろ文化祭も終わりっ!



「ワッフルのクラス行かなきゃ!」



「シウォン。俺、腹減ったから海苔巻きがいいんだけど」



「キュヒョンは何がいい?」



「俺も……?」



キュヒョンが着物をたたみながら、視線を泳がせる。



「お前も来いよ」



ミノが机にふせってるシム・チャンミンの肩を押した。



「うるせーな」



「ワッフルだヨ!」



「勝手に食ってろよ。でも、海苔巻きなら食う」



シム・チャンミンがだるそうに立ち上がる。



「ワッフルがいいのに!じゃあキュヒョンに決めてもらいながら行こっか」



「姉……兄ちゃん」



教室から出たところで呼び止められて振り向く



白いパーカーにハーフパンツ姿のテミンが立ってた。



やだあ!来てたのっ!?



「おー、テミンだー」



ミノが笑った。



……ま、まさか。



「……あれ、見たの……?」



「うん。家族みんなで」



テミンが頷いた。



ああん!信じらんないよっ!パパもだけどママも来ちゃったなんてっ!



「笑ってたよ。俺は……度肝抜かれたけど」



テミンが周りにおどおどしながら言う。



「全然似てねーな」



シム・チャンミンがぼそっと呟く。



テミンが見上げる。



「姉……兄ちゃんより背が高い……」



シム・チャンミンが口角を片側だけ上げる。



「お前の部屋、見たことあるぜ?」



テミンは覗き込まれながら、じっと見た。



「猫の人……ですか?」



「おー」



「名前……何にしたんですか?」



「白かったから」



「ミルク……?」



「やっこ」



「やっこ……」



「あの、店閉まりますよ?」



キュヒョンが眼鏡を触って言う。



「じゃ、兄ちゃんが好きなの買ってあげるヨ」



「あ、兄ちゃん。呼んでるんだ」



テミンが俺に向いた。



「まあまあ!シウォンちゃんお疲れさま!」



「良かったぞ、鬼」



パパがはははと笑った。



「もーっ!見ないでって言ったのにい!!」



俺は校舎の裏で頬を膨らませていた。



「テミンがずっとハラハラしてたぞ」



「うん。した」



「写真いっぱい撮ったから、あとでみんなで見ましょ!」



まさかママまでカメラ持って来てたなんて!



「すっかりママはカメラ小僧だったな」



ははは、とパパが笑った。



「もう!シウォン大変だったんだよ?」



「でも嬉しかったぞ」



「え……」



「自分が作った学校で、楽しそうにしてるお前を見て」



「パパ……」



「シウォンはいい友達を沢山持ったな」



「パパはこれでもシウォンちゃんのこと心配してたのよ」



「ママ……」



「姉ちゃん頑張れよ。いろいろ。本当に」



「テミン……」



みんな……心配で見に来てくれたの?



「うん。シウォン頑張る!!でもあれ本当に大変だったんだからネ!」



あはは、とみんなで笑いあった。



「買って来たぞ。ほら」



教室に戻ると、すぐにミノがワッフルを持って来た。



「さんきゅ!わ、おっいしー!」



ミノが微笑んで俺を見た。



「あれ?海苔巻きは?」



「アイツらが買って来る」



ミノ、海苔巻き食べたがってたのに、俺のを買って来たんだ……



コイツ、こういうとこ……ある。



「なあ、ミノ」



「ん?」



「俺決めた」



俺は立ったままワッフルをまた一口食べて言う。



「俺、番長に自分から言うよ。喧嘩しないで欲しいって」



ワッフルを見つめて、怖くて震えそうな自分に言い聞かせるように言う。



「だってやだモン。ミノもアイツも怪我するの」



頼ってばっかじゃダメなんだ。



「番長は、きっと受け入れないよ」



ミノが言う。



「ダメだったら、俺……」



ワッフルを持つ手が、ちょっと震えちゃうけど、ファイトだよシウォン!



「番長と、キスするよ!」



そう言って、顔を上げた。



俺を見つめるミノと目が合った。



日が傾いて、外から軽音バンドのマイクの声で「それではラスト聞いて下さい!」と懐かしい曲がかかる。



まるで懐かしのあの頃に、俺たちはタイムスリップしたみたいだネ。



「ミノ、なんだよ。いつもみたいに笑えよ」



悪友のにこにこした笑顔がない。



「そんなことさせるわけないだろ」



「馬鹿だな、ミノは!俺は大丈夫なの!」



いつもの笑顔が見られるように、俺は元気よくワッフルを頬張る。



「好きだよ。シウォン」



目を見開いて、俺は悪友をもう一度見た。



「男同士だけど、好きだ」



よく噛まずに飲み込む。



な……に?



ミノが真顔で俺を見つめて近づくから、俺は誰かの机の上に残ったワッフルを置きながら、下がった。



「ミノ?」



「言えなかったのは、友達だからってのもあるけど。それだけじゃないよ」



ミノはまた近づいた。その困ったような切なそうな顔を見て、胸が痛んだまま、でも近づかれるから、そのまま後退して教壇に上がった。



「この学校で、そんなこと起きないって思ってるけど。傷つけられたくなかったんだ」



ミノも教壇に上がって、いつの間にか黒板に背中がついた俺の顔の横に、その手をトンっとあてる。



「俺のことが好きなやつに、俺の好きなやつを」



目を見開いたまますくんだ俺を、ミノが見下ろした。シム・チャンミンの目も大きかったけど、ミノの目も大きかった。



白目がはっきりした、でも瞳が大きい、優しくて、強い目。



俺はこんなに一緒にいたのに、知らなかったんだ。



見つめ合って動けなかった。



「ミノ……」



横長な口が、にこっと笑う。



「悪い。ワッフル食えよ、シウォン」



ミノがさっと体を離して踵を返した。



「悪く……ないよ!何で謝るんだよ!」



俺に振り向く。



「ミノは……偉いよ……」



今まで、どんな思いで俺の側にいたのか。考えると、泣いちゃいそうだヨ!




その時っ☆☆




「うっま」



「そろそろ集合みたいです」



海苔巻きを持ったキュヒョンと食べているシム・チャンミンが入って来た。



ミノと話は途中だったけど、急いでみんなで食べて体育館へ向かった。




「えー、これによりまして、本校の第15回文化祭を終えるわけですが、今回のスローガン『 I wanna be with you.』に則った、皆さんの絆、結束力を如何なく発揮した、とても素晴らしい文化祭になったのではないかと思っています。今年は、今までにない来客数を―――」




きーんこーんかーんこーんきーんこーんかーんこーん




体育館から出ると、俺は一人で真っ先に番長のクラスに向かった。



早く行かなきゃっ!



「え?いない?」



魔法使い役の人が頷く。



な、なんで?



「本当ですか?」



母親役の人も頷いた。



もしかして……そ、そんなっ!



「シウォンっ!!!」



慌てて教室に戻ると、キュヒョンが俺に飛んできた。



「キュヒョン?アイツらは?」




「もう行ったって!!河川敷に!」







☆つづく☆

×

非ログインユーザーとして返信する