「不思議な夜に13」キュヒョン×イトゥク
「はあ、はあ」
呼吸が整わない。整わないのは、拭かれた後も俺の頭を撫でながら、まだ抱き締めているキュヒョンの身体の重みに肺が圧迫されているからだ。
「キュヒョン、苦しいって」
「あ」
と、言って少し体を浮かせた。見上げる俺と目が合うと、キュヒョンは視線を泳がせながら、今度は起き上がって体を離す。
そして、まだ息が整わず、寝転がっている俺に、またあっけらかんとした顔で言う。
「明日はちゃんと話しましょう。ということで明日の夜も来るので」
「おい、待てよ!」
キュヒョンは立ち上がる。
何でこういう時、言うこと聞かないんだ!
でも、これだけ弟に翻弄されながらも、俺はリーダーだし、年上だし、男だから、
もうそれでは済ませられない。
はっきり言わないといけない時だってある。
まったく変な夢見せやがって。
これからどうするんだよ。
息を整わせながらも俺はため息をついた。
つづく