夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
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「続きでも笑って 2」(スホの場合)ルハン EXOの短編

*こちらのお話の続きでございます。「その目で笑って 2」(スホの場合)ルハン EXOの短編 - 夢の続き




足を浸したそこを眺めて、スホは濡れた髪を掻き上げた。
映った白い肌と黒髪が揺れている。
四方に設置された、丸いライトと、下からじんわりと照らす高層ビルの夜景で、穏やかな明るさだった。
長いことした職業のせいか、月に一度通う皮膚科のおかげか水着から出た白い肌は、男にしては艶々と保たれている。色づいた唇も。
恐らく一生人に見られるのだから、それを心がけて当然とも思った。
揺れている自分は、弛んだ肌も分からず、スホは昨日のオーディションを思い出した。
合格した新人は、きっと良いリーダーになると思った。
そう思って色づいた唇の両端を上げた。
すぐ後に、静かな屋上プールの入口から、
「社長。お電話ですよ」
と、かけられた中国語にもっと笑った。
でも、スホは水面を見つめたまま顔を上げない。
ずっと連絡は取っていたが、最後の姿は、こんな光を受けた、玄関の後ろ姿だったからだ。
自分の国と違い、春でもここはもう蒸し暑い。
気持ちよく浸っている足元を見つめて、スホは今なら、泣いても良いかもしれないと思った。
そして、揺れる自分の顏の横にもう一人表れて、スホは顔をくしゃっとさせ、涙をこぼした。
「泣くなよ、リーダー」
言われながら、自分の国の言葉で、背中を押される。
ばしゃんとしぶきを上げて、スホは水に落ちた。
一緒に飛び込んだ男が、明るい水面に出た、スホの顏を両手で包みながらキスをする。
手足をばたつかせ、水をはねさせながら、スホは熱いキスを受けた。
まるで、吸い付いたのが取れるように音を立てて、距離が開く。
小さな唇の両端が上がる。
淡い光の中で、黒いサングラスが自分達の横を浮かんでいる。
短髪とすっかり日に焼けた肌にTシャツを着ている。
俳優を休業して、写真を撮っているのは本当なんだなと思った。
その目が笑っていた。
スホは、年甲斐なく顏を赤めるのが嫌で、視線をまた下にそらす。
顔を掴まれて、目の前で正面に向けられた。
「中華進出おめでとう」
流暢に言ってくれるから、彼の国の言葉で礼を返すと、
「これからはずっと中国語な」
と、笑われた。
太い眉をしかめて眩しく見ながら、
「兄さん」
ずるいですと続けた言葉はまたされたキスと一緒に光る水に沈んでいく。
水の中でも、ルハンの目は、きらきらと輝いて見えた。







『続きでも笑って』(スホの場合)おわり

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