夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「夢の続き62」ユノ×チャンミン

もう11月も終わりだ。


冬も本番だけど、今年は去年より少し暖かいかな。


昨日は、店長がバイト中ずっと「カレー美味しかった」と思い出したように呟いていた。


今日はキュヒョンがカップ麺に、持って帰ったごま油を垂らしていた(うちにもごま油はあったのに「マイごま油にする!」と言い張って買った)。


昨日の夜ご飯は、ユノも俺もあっさりしたものが食べたくなったのか、かけうどんだった。


自転車をとめて、部屋の前まで来ると、電気がついてる。


鍵を差し込むと、案の定ドアが思いっきり開いて、俺はよけた。


「チャンミン!お帰りっ!!」


「はいはい、ただいま」


エプロン姿のユノが笑顔で迎える。
俺の服を着てるのも、もう慣れたものだ。


台所を横目で見た。


ふーん、今日はパスタなのか。


あ、これ。


玄関から上がった足を止める。


「ユノさん、これ……」


ユノがカレー作成時から出している簡易テーブルを見てから、嬉しそうに俺に向いた。


「そう!カルボナーラ!!」


テーブルの上には他の材料と、ボールに生卵が割られてるのが見えた。


「カルボナーラかあ、最近全然食べてなかったんです」


ユノがにこっと笑った。


「いっぱい作るから待っててね!」


「じゃあ、その倍作って下さい」


「え、そんなに?」


「食べたいです」


「わ、分かった!」


ユノが一生懸命材料を足してるのを見ながら、俺は荷物を置いた。


「麺茹でましょうか?」


「大丈夫!もう茹でるから!」


ユノが作っているのを俺はじっと見ていた。


ユノは困ったような顔をして、照れた。


「あんまり見ないで。恥ずかしいよ」


「すいません」



できあがったのを見ると、とても美味しそうだった。あの感じなら、麺も時間通りに茹であがってる。


ユノが期待に満ちた目で俺を見る。
確かにこれはちゃんと作ったと言える料理だから、そうなるのは分かる。これまでのはちょっと分からないけど。


とにかく早く食べたい!


「いただきますっ!!うっまっ!!」


口に麺を入れたまま、ユノに親指を立てた。


ユノが感動して目を潤ませている。


そこまでのことなのかどうか微妙なとこだけど、とりあえず飲み込む。
文句なしの出来栄えだ。


「めちゃくちゃ美味しいですよ、ユノさん。これは傑作です。早く食べて下さい」


「チャンミン……俺、嬉しい」


ユノが感動で震えている。







只今18時47分(ユノの退役まで460日)

「夢の続き61」ユノ×チャンミン


「……これは……俺が知っているカレーというものではないけれど……でも……」


「美味しいっ!!」


ユノが叫んで、先に言ったキュヒョンが頷いた。


「うん、美味しいよこれは!」


店長も興奮気味にまた口に運ぶ。


「確かに美味しい」


俺も半信半疑でもう一口、口に入れた。


「うまい」


「美味しいっ!」


「うん、美味しいよ」


「な、なんでだ」


俺達は感想を言い合いながら、あっという間に一皿平らげた。


「俺、おかわりします」


真っ先に立ち上がった俺に続いて、三人も立ち上がる。


一人二杯ずつで、鍋は一気にからっぽになった。


みんなで腹をさすった。


「あと二杯はいけたな」


物足りない俺にキュヒョンが呟く。


「よくあんな目に入ったら潰れそうなカレー食べるよな」


ユノが満面の笑みを浮かべている。


「すごい美味しかった!カレーって美味しいんだね!チャンミンとキュヒョンありがとう!」


ユノにお礼を言われた。


「うん。ありがとうチャンミン君、キュヒョン君。本当に美味しかったよ」


店長にもお礼を言われた。


「あ、えーと……喜んでもらえてよかったです……?」


心なしか疑問形になった。


「うん。作って良かったな…………っておいチャンミン、夜が明けるぞ」


窓の外を見て、キュヒョンが立ち上がった。


みんなで窓の方を見る。黒かった空が青色に変わっていく。


「本当だ。夜が明ける」




こうして、俺達のカレー作りは終わった。



のちにキュヒョンは、「あの時の俺があるから、今の俺がある」との名言を残した。








只今6時11分(ユノの退役まで461日)










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旅行に行っておりまして、遅くなりました。今日中にあと、二日分くらいはあげてみたいものです。

「夢の続き60」ユノ×チャンミン

「おい、チャンミン。起きろ」


少し眠れた。


「煮えた?」


「多分。じゃがいもに箸が通る」


ユノはすうすうと寝息を立てて寝ている。


「じゃあ、ルーだ」


キュヒョンも見守る中、袋を開ける。


入れた。


キュヒョンが鍋のカレーとパッケージを見比べた。


「王子さまの力はこんなもんじゃないみたいだぞ」


「足りないね」


袋を開けて更に投入する。


「かなり近くなった」


キュヒョンの言葉で、顔を見合わせて頷く。


「まだちょっと水っぽい気がするけど、煮詰めれば良いよ。かき混ぜながら煮込もう。俺の鍋に残り入れるよ」


「じゃあ、そろそろリーダー起こすか。って今何時だ?」


二人一緒に時計を見る。


「インドの人は起きてる間、ずっとカレーを作っているということになるな」


キュヒョンが時計を見ながら言った。


「それよりキュヒョン。今気づいたんだけど、俺、炊飯器のスイッチ押すの忘れてたみたいなんだよね」


俺はキュヒョンの後ろに置かれた炊飯器が沈黙してるのに気付いて言った。


「なんのためのお前だよ!」



そんな数々の王道をくぐりぬけ、


ついにとうとう俺達は……






「いやー。ここにチャンミン君がねえ!」


店長が玄関で立って歓声を上げた。


「すいません、こんな時間に。もうご飯炊けますんで」


外が暗いのもあって案内してきた俺は、言いながら先に部屋に上がった。


こたつに入ってたユノが立ち上がって、出迎えに来る。


キュヒョンも台所で鍋をかき混ぜながら、挨拶をした。


炊飯器のスイッチを押した俺は、そろそろ店長は起きた頃だろうと、出勤時にカレーを持って行くことを伝えると、開店前にわざわざうちに食べに来てくれることになった。


「いやー、うれしいよ。チャンミン君のおうちにもお邪魔させてもらえるなんて。わ、なんか部屋がすごい」


室内を見て立ち止まった店長に、睡眠ばっちりで元気なユノがわくわくした目で見る。


「これは見事なクリスマスだね!ユノ君!」


店長の言葉にユノが感激した。


「こたつに入ってて下さい。すぐできますから」


「チャンミン、ご飯炊けたぞ。皿出してくれ」


「はいはい」



全ての工程を終えた俺達は、店長も交えてみんなでこたつにつく。


店長とユノが嬉しそうに目の前のカレーを見る。


「この仕事してると、弁当ばっかりになるからねえ。カレーなんて久しぶりだよ。これは何が入ってるの?」


店長がかけている眼鏡のフレームをつまんだ。


「聞かない方がいいです」


微笑んで即答した。


「そ、そう」


「チキンが入ってますよ。クリスマスだからチキン食べないと」


疲れ切ってるキュヒョンも達成感からか口元がほころんでいる。


「でも、まだ一か月くらいないかね。……ってチャンミン君のカレーの色すごくないかね!」


店長がまた眼鏡のフレームをつまんだ。


「いただきます!!」


元気よくユノが言って、話の途中だったけれど、みんなも続いて「いただきます」とスプーンを持った。


ユノが一口、口に入れて、店長、キュヒョンも口に運んだ。


一口食べた三人が目を見開いた!


それを横目で見ながら、俺もおそるおそる口に含む。


俺も目を見開いた!










只今5時35分(ユノの退役まで462日)