夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「PLAY10」ユノ×チャンミン

「なあ、チャンミン」


「なんですか?」


いよいよ、人がいなくなってきて、舞台の照明も落とされ始める。


「俺達変わらないな」


パーカーのフードをかぶったその表情は分からないけれど、少し間が空いて、


「そうですね」


と小さく鼻で笑われた。


それにつられるように、からかいたくなって言う。


「あ、でも最近チャンミンちょっと変わったな」


反応はなくて、その事に俺はあの夜のチャンミンを思い出したけど、それを持ち出すつもりはないし、引っ掛けるつもりでもなかったから、すぐに続けた。


「携帯のゲームあんまりしなくなった」


やっぱり俺の答えは予想と違ったのか、今度は即返事がされる。


「ああ、そうですね」


「なんでしなくなったの?」


「そこ気になりますか?お腹減ったんで行きましょうよ」


「はいはい」


と言って俺が立ち上がったのに合わせてチャンミンも立ち上がる。


階段を二、三歩上がったところで前を歩くチャンミンが言った。


「あれ難しいんですよ」


チャンミンなら俺の他愛ない質問も一応放っておかないと思っていたから、違和感もなく、続けられそうな語尾を聞いて、相槌も打たずに後ろを歩いた。


「ゲームオーバーになるのが嫌だから」


まだ語尾は続けられるみたいだった。


「諦めたんです」


と、続けられた口調も台詞も不自然で、俺は違う意味での違和感を覚えているのに、それを言葉に出来ない。チャンミンは全く歩調を変えずに、階段を上がっていく。



俺は引っ掛けるつもりはなかったのに、



分かりながら引っ掛かった振りをして、



それに俺が何も言えないと、見越されていたような感じだった。






つづく

「不思議な夜に13」キュヒョン×イトゥク


「はあ、はあ」


呼吸が整わない。整わないのは、拭かれた後も俺の頭を撫でながら、まだ抱き締めているキュヒョンの身体の重みに肺が圧迫されているからだ。


「キュヒョン、苦しいって」


「あ」


と、言って少し体を浮かせた。見上げる俺と目が合うと、キュヒョンは視線を泳がせながら、今度は起き上がって体を離す。


そして、まだ息が整わず、寝転がっている俺に、またあっけらかんとした顔で言う。


「明日はちゃんと話しましょう。ということで明日の夜も来るので」


「おい、待てよ!」


キュヒョンは立ち上がる。


何でこういう時、言うこと聞かないんだ!



でも、これだけ弟に翻弄されながらも、俺はリーダーだし、年上だし、男だから、


もうそれでは済ませられない。

はっきり言わないといけない時だってある。



まったく変な夢見せやがって。


これからどうするんだよ。



息を整わせながらも俺はため息をついた。










つづく

「夢の続き18」ユノ×チャンミン


「そう、あれはコンビニからの帰り道」


俺は、手を止めてこちらを向いたキュヒョンに話し始めた。




~シム(俺の苗字)随想録P.16



帰り道。



「ねえ、チャンミン。これが鳥肌っていうのかな」



「そうですね。寒いですからね」



そうだ。こたつあったな。



せっかく日本に来て買ったんだ。


帰ったらこたつ布団出そう。


いや、それよりも、店だよね。


店長の喜んだ顔見たら何も言えなかったけど、


むしろ言わないといけなかったんじゃないの?


シフトに出られない俺が言える立場じゃないし、確かにこの人が働くことができるんなら、みんな助かるけど……


「あの、ユノさん、ちょっとお聞きしたいんですけど、働いたことは」



「チャンミン」



ユノが俺の肩に手を置いて、突然立ち止まった。
夜も遅くなって来て、全く人通りのない、今までと同じ住宅街があるだけで何もない。


見えるのは、ただ、目の前から来た車だけで。


俺もわけ分からず立ち止まる。
そんな俺達の横を車は通り過ぎていった。
肩に置かれた手が強張ったのが分かった。


「あの」


「チャンミン、車には気を付けて。あと、俺は働いたことはないよ」


ユノの眼差しは真剣だった。


「はあ」


「あと、チャンミン」


「はい」


「この季節さ、Tシャツ一枚だけだと、寒いの通り越してなんか感覚なくなってくるね!」


「あ、そうですか」


~~




俺はかけうどんを見つめながら、こちらを見ているキュヒョンに言う。



「というわけなんだけど、何で働いたこともない人に俺は車に気を付けろって言われたのか釈然としないもんがあったよ」



「いや、車うんぬんより、俺は何で片一方がこの寒空の下、Tシャツ一枚でいるのかが気になったけど」









只今12時54分(ユノの退役まで499日)