「夢の続き4」ユノ×チャンミン
深く溜息をつく。
まるでストーカーか変質者みたいなこの男を俺は全く知らない。
全く……?
目の前の男を見ながら、しょげた目で俺を見る丸くて黒い瞳に、何か……何か本当に、うっすらとこんな人間をどこかで見たような気もした。
でもそれは思い出せないくらい微かで、思い違いのような気もした。
俺は記憶喪失でもないんだし、とにかく、変質者じゃなければどういう状況で俺のベッドで裸で寝られるんだよ。
昨日確かに一人でベッドに入ったし、鍵もかけて……とまで考えて、立ち上がる。
男を放っておいて、玄関のドアを確認した。
鍵がかかってる。
確かにボロアパートだけど、ここは三階で、11月の寒さで窓も開けて寝るはずがない。
俺が招き入れたんじゃなければ、入ってなんか来れない。
困惑を通り越して、背筋が寒くなった時に、後ろから声が聞こえた。
「チャンミン」
「うわっ」
背後に立っていて、飛び退く。
そんな俺を見て、男は自分の後ろ頭を撫でながら言った。
「あのさ、チャンミンが嫌だったら」
「嫌です」
「まだ言ってないよ!」
「なんですか?」
「俺いるの嫌だ?」
「嫌です」
俺の言葉に、傷ついた顔をして、固まっている。
身長は、186センチの俺よりちょっと低いくらいか。
頭も小さくて、一見するとこんなボロアパートで俺のベッドに不法進入するとは思えない外見だ。
顔立ちも整ってて。
その様子を見ながら腕を組んで、玄関横の流し台にもたれかかる。
そして、俺と同じ母国語。
「本当に韓国人なんですか?」
俺を上目遣いで伺ってから、観念したように口を開いた。
「韓国語が……一番できる」
さあ、どうしたものか。
只今1時50分(ユノの退役まで513日)