「チャンミンくんの恋人15」ユノ×チャンミン
「こんな感じはどうですか?」
「あ、いいね」
なんだかんだ言って、ベッドやソファー以外にもハンカチや布を床に敷いたりして、なんだか柔らかそうな部屋が出来た。
「ふわふわだ」
ユノがベッドに突っ伏す。
気持ち良さそうにフェイスタオルに包まる。
「チャンミンは可哀想だなー。こんな気持ちいい部屋に住めなくて」
俺は口元を弛めた。
「ユノ」
名前を呼び捨てられて、不思議そうに見上げた。
「気に入りましたか?」
ユノがにこりと笑った。
「今までの宿舎で一番いいよ!」
ごろごろとベッドで転がっている。
俺は微笑みながら、軽く指でタオルに包まれた体を撫でた。
ユノが動きを止めた。顔は見えないまま、俺に言った。
「なんか小動物っぽい?俺」
「あ、多分」
「そっかあ」
顔を出したユノは、頬を赤くして笑っている。
体の大きさって言うのは、
人の印象をここまで変えるものなんだ。
というよりも、その全体像がより明確に見えたり、自分の体格の条件と組み合わさって、
新しい像に変えたりするものなんだ。
タオルを指で摘まんではぎ取った。
楽しそうなユノが顔を出した。
自分も笑った。
俺は今、ずっと一緒にいたこの年上のパートナーを、少し新しく見ている。
夜になって、マネージャーが色々と買って帰って来た。
とりあえず仕事は二日後の俺単独の物以外キャンセル。それからもグループの活動をどうするかまだ決定できないと言うことだった。
「でも、きっとこのままキャンセルさせれば勘付かれるでしょうね」
「公表する意見も出てる」
「俺は公表していいと思う」
向かい合っていた俺とマネージャーが、ダイニングテーブルの上で、俺の作った椅子に腰かけていたユノを見る。
「俺はどんな姿を見せても、この仕事を続けたいよ」
俺達に目を合わさずに、少し視線を下げて正面を見ている姿は決意を思わせる。
そう言うと思っていた。俺は何も言わない。
「でも、事務所の意向に従います」
ユノは続けて言った。
「ユノの意見は伝えておく。とりあえず新しい情報が出てくるのを待って、
一週間様子見ということだ。それ以上はどうやってもスケジュールをずらせない。
その時には必ず決定案が出るから」
自分達は頷いた。
「まあ、ユノは家からは出られないけれど、早めに来た休暇だと思って、二人とも少し羽を伸ばせばいい。とにかくこれを見てくれ」
ソファーに置いていたビニール袋や紙袋をマネージャーが持ってきた。
「ユノ、どれがいい?」
次々に取り出していく、
俺とユノは立って変な声を上げた。
「おおおおお」
取り出された沢山の箱の中身は、
バラエティ豊かな、
人形の服だった。
つづく