夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「Kiss me,baby.30」ユノ×チャンミン


マネージャーを呼ぶ前に、自分ももう行ってしまおうと思って、リュックを手に取る。


何気なく取り出した携帯電話の画面が同時についた。



『30分集合時刻早まったから、もう来い。Aー7控室」



一瞬眺めて、またしまった。


「早く打てるじゃん」


呟いて、真顔のまま鼻で笑う。


店から出て、タクシーを拾った。


車内で、窓の外に目もやらず、体内の音を聞く。


本当にそんなことは可能なのだろうか。



ユノの言った事。



今考えても女が好きだ。


これがとんでもなく自分にとってレアケースだって分かっている。


この職業でなくても避けるべきなのも分かっている。


でもだからこそ、簡単になかったことになんてできないこと。


ユノが分かっていない。


それに加えてしつこく足掻くなんてことは俺だって、分かっていない。


外したものを、取り出して見つめる。


ユノはこれをどうしただろう?


うんざりと目をそらした。


そんな事を考えた俺は、


大変良く、分かっている。




現場に、丁度良い時刻に着いた俺はとりあえず真っ先に歯を磨きに行った。
俺を見るユノの顔が思い浮かんだ。
今は何も知らない貧弱な自分じゃない。
泡立つ口元を見ながら、黒い瞳も思い浮かんだ。
掴まれた指。
怒った顔、
哀しんだ顔、
俺をうっとりと見ていた顔。


そして――


ゆすいで触れてみる。



俺はやっぱり分からなかった。



もう、全く分からなかった。



控室のドアの前で立ち止まって、



見る。



早まった集合時刻が来るのを、手の中で眺める。



俺は動かない。



体内の音は、自分と同じく馬鹿みたいに音を立てている。


でも止められなかった。


その時刻が、



一分過ぎるのを、俺は待つことを止められなかった。



過ぎた瞬間、リュックに入れた。



ドアノブを掴んで回す。



電波時計に感謝した。




自分が想像していた、目を見開いたユノに、




早く、会いたいと思った。








つづく

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