夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「麒麟16」キリン×リョウク


あの心理テストをした最後の日、宿舎に帰って、酔った頭で僕は何か考えていた。



ベッドの上でパックをしながら、美容液が肌に浸透するのを待っていたあの時間。



僕は、ちょっと失恋したような僕は。



何かを考えていた気がする。



とってきたマンゴーを一緒に食べて、歯も磨いた。


こんな大きな岩、今まで見たことあったかな。岩山ならあるけど。


外国の撮影現場で見たかな。プライベートで見て、しかもそこで寝るなんて。
上の方には鳥でもいるのか、羽ばたく音がした。
すっかり夜になっていた。
砂漠化した大地の岩の上にいる。
細かいモーター音のような、噴射しているような音がする。


「あの音はなに?」


「ヘビの唸り声」


あんな音出すんだ。


「リョウク、眠くないの?」


僕はキリンの首を枕にするように一巻きしてもらって、岩山の平たい場所に体を丸めて寝転がっていた。



「ねえ、キリン。ここは、アフリカ?」



キリンは脚を折り曲げて地面に座っている。
僕を覗き込んだ。
後ろの星空とその目は溶け込んでいる。



「うん」



キリンが言った。



「何で僕はここに来たのかな」



夜空のようなその瞳を見ながら呟いた。


その夜空は僕をみている。


僕達は見つめ合っていた。


見つめ合っていると僕はもう思っていた。



「リョウク」



キリンが声を出した。



「リョウクがここに来たのは、僕のせいかもしれない」



悲しげな顔をしていると思った。


僕はこのまま行けばどんなキリンの表情でも分かるようになる。



「なんでそう思うの?」



僕は手を伸ばして、その頬を撫でた。


そんなことあるはずがないとは言えなかった。


だって僕がここにいること自体がもう人智を超えている。


でもそうでもそうでなくても、そんな顔はする必要なかった。
キリンはされるがままにされながら、僕を見ている。
その黒い空に吸い込まれる気がする。



「リョウクが来る前、僕は思ってたことがあるんだ」



夜の空気とその言葉で、僕は、ここに来る直前の、最後の記憶が目を覚ました気がした。


星空が自分達に覆い被さる。


広大な大地が僕達と一緒に、数え切れないほど沢山の生き物を乗せて拡がっていく。



「僕と一緒にいたいと思ってくれる、誰かに会いたい」



黒曜石の瞳が僕を見て、吸い込んでいく。



でももしそれが。



言葉の違う人なら、どうしたらいいかな。



もしそれが、僕の、



――運命の人が、外国の人なら、どうすればいいかな。



そう、僕はあの時ベッドで考えていた。


夜の天井を見つめて、ひたすらそんな、来もしないだろう未来を想って、夢想に耽っていた。



同じ事を、考えていた。










つづく

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