ミノ子の憂鬱43 ユノ×ミノ
「あの、すいません」
むせた!
ビールでむせたらきついのよ!背後から来ないでよ!
「って、あっ!」
ボサボサの髪の人じゃない!
思わず声出しちゃったわ。
そう言えば、同じフロアーだし。引継ぎだったんだから来るわね。
なに?なによ?
今日もボサボサね!
「すいません。その唐揚げ貰っていいですか?」
え?唐揚げ貰いに来たの?
まあ、この大盛り唐揚げ、大盛り過ぎて絶対残ると思ってたけど。
「……ええ、どうぞ」
って。
皿ごと持って行くの?
行っちゃったし。
ん?
あの人のテーブルだけ唐揚げの皿、空じゃない?
まさかあの人全部食べたの?
そんなわけないでしょ、ふふ。
でも、自分の前に置いて一人で食べてる。
ひたすら唐揚げ食べて、ビール飲んでるわ。
サラダも食べなさいよ。マグロとアボカドのサラダ美味しかったじゃない。
あんな食べ方したら太るわよ。
まあ近くで見たら、やっぱり整った顔してたけど、……ないわね。
あれは絶対ワガママ。
彼の方が私ないだろうけど。
ス保、大丈夫かしら。
つづく